浜田真理子さんという歌手をご存知ですか?
![]() | 夜も昼も 浜田真理子 (2006/11/04) インディペンデントレーベル *詳細を見る |
(*これは↑一番最近出したアルバムだそうですが)
この方は島根県出身のシンガーソングライターらしいのですが、緑の船はこの松江滞在中に初めてその歌を聴きました。
といってもライブではなく、駅前(線路下)にある雑貨屋さんに入ったら彼女のCDがかかっていたってだけなのですが。
その雑貨屋さんは地元の作家さんたちの作品を展示しつつ販売しているお店で、なかなか居心地がよかったです。
なんかいいじゃないですか、地元でがんばっている作家さんを大事にしているお店って。
★【「kaelu~還~」:松江の地域情報:まいぷれ】参照。
そこでは陶芸作品やアクセサリー、イラストレーターの絵葉書、古布をリサイクルで利用した服飾雑貨など販売していて、小さなコーナーはさながらレトロでポップなセレクトショップという感じでしょうか。
そうそう、そこで売っていたポストカードのイラスト↓でけっこう好きなのがありました。
★【Mushline】さんのイラスト。
「Mushline」(マッシュライン)には、アサノさんの制作したイラスト・その他の制作物の紹介、活動状況、仕事情報等が掲載されています。
雑貨店等での活動も「Mushline」名義で行っていて、先の雑貨屋で見たイラストの絵葉書もこのお名前。
アサノさん(浅野久美)は現在島根県安来市在住のフリーでウェブサイト制作、イラスト制作を中心に活動をしている方だそうです。
個人的にはバイクや車を組み込んだイラストがとても気に入り買ってみました♪
「YAMAHA TW」とか「TOYATA MARK2 MX-41 for iso3200」とか「Malaguti Yesterday.」とか「Lave at first sight!」とか「Volkswagen Type2.」とか「TOYOTA 2000GT.」こーゆー感じがスキです。
…と、ここで「松江旅情編」は59で終わったはずじゃ…??という突っ込みは自分でしておきます。えーと、ば、番外編ってことで…。
で、その雑貨店のBGM♪でかかっていたのがこの浜田真理子さんの『こころうた』というライブアルバム(2003年11月21日、グローリアチャペルでのライヴ)だったんですが、その中に
♪まーつーえーに雨がふーる~、ふーるーきー水のみーやーこ…♪
というフレーズが印象的なピアノの弾き語りの曲がありました。
その曲がとてもよかった!
というか、緑の船が感じたこの松江のイメージにぴったりだった。
今日は嵐のような天気でちょと冷えたので、急にこの曲を思い出したのだったりします。
♪『水の都に雨が降る』
作詞・作曲:安来のおじ
夢でみたような 銀色の空を
トタン屋根越しに 仰いでみる
松江に雨が降る 古き水の都
傘を広げひとり バスを待つ
ここへ帰るのは 何度目だろうか
迎える景色に 温もりがある
松江に雨が降る 古き水の都
傘をすぼめひとり バスに乗る
置いてきた いくつかの思い出のかけらを
温めるわたしに 雨はやさしい
松江に雨が降る 古き水の都
変わらぬ町並みを バスは行く♪
さきほどシンガーソングライターと紹介しましたが、このライブアルバムを聴いた限りでは、ジャズとかブルースという感じの歌をピアノ一本(ピアノって一本でいいのか!?)で気に入った歌は自分の曲でなくてもなんでも自分流のアレンジで歌う、という印象。
英語の曲を歌ってたかと思ったら、次はなんだか童謡のような民謡のような歌を歌ったりするのですが、その移行にまったく違和感がありません。
というか聴いていて
「ん? これって演歌?昔の歌謡曲?」
としばらくしてから気がつくような感じとでも申しましょうか。
んーー、演歌とも違うかな?哀歌?エレジーとかそんなイメージが近いような…。
![]() | mariko live~こころうた~2003.11.21 at GLORIA CHAPEL 浜田真理子 (2004/08/05) インディペンデントレーベル *詳細を見る |
★【浜田真理子Official Website】
★【安来のおじ:「水の都に雨が降る」】
でもこのライブアルバムを聴いて一番衝撃的なのは、DISC-1の最後(16曲目)に収録されているご当地民謡の『安来節』でしょう!
「これも違うって言われると思うんですけど(笑)、オレの中ではロックなんですけど…」
とピアノ一本で歌い始めた民謡なのだけど、今まで民謡ってよく知っているようで歌詞をしっかり聞いた記憶もなかったんだけど、感想は一言で言うと
「すっげーカッコイイ!!」(」゚ロ゚)」オオッ
民謡はロックなのか!?という感想はさておき、浜田真理子の『安来節』を聴いたら「民謡ってこんなカッコよかったっけ!(@@)?」と誰でも思うんじゃないかっ!?と思うくらいカッコイイアレンジなのだ!
で、改めて歌詞を聞くとこれまたなかなか粋。
♪『安来節』
島根民謡
出雲名物 荷物にならぬ
聞いてお帰り 安来節
松江名所は 数々あれど
千鳥お城に 嫁が島
松江大橋 柳の雨に
わたしゃあなたを 濡れて待つ
恋に焦がれて 鳴く蝉よりも
鳴かぬ蛍が 身を焦がす
芸はなけれど 生まれは出雲
下手も自慢の 安来節♪
~ 恋に焦がれて 鳴く蝉よりも
鳴かぬ蛍が 身を焦がす ~
ここのところの歌詞↑がものすごくイイよ!
というかスキよ。
★【「安来節」民謡・童謡:日本のジャンル途中下車の旅「OnGen」:中国地方】基本的な「安来節」を試聴できます。
浜田真理子さんの楽曲試聴はこちら↓でどうぞ♪
★【AppleMusic:浜田真理子:音楽ダウンロード】
他にも「オレの中ではゴスペルなんですが(笑)」と美空ひばりの『柔』(やわら)を歌ったり、『船頭小唄』や、『座頭市』など、タイトルだけ見たら「???、?これ歌うの?」とやや不安になるようなものまで、歌えばすべて「浜田真理子色」にしてしまう、ブルースもジャズもシャンソンもエレジーも民謡も演歌も歌謡曲も関係ない!と思わせてその曲の世界を楽しませてくれるところがとっても素晴らしいです。
ところでこの方、歌手兼会社員だそうで。ふぉーーーっ!!
★【情熱大陸:浜田真理子】2004年7月4日放送
民謡をこんなアレンジでカッコよく歌う人は中々いないんじゃないだろうか。
というか、この民謡をよくこんなアレンジにしちゃおうと思ったもんだとその発想にびっくりしました。
洋楽を和訳して歌うとか、邦楽を英訳アレンジしたものとかはよく聞くけど、民謡をこんな今この時代に引っ張ってくるあの歌唱力には参ります。
この『安来節』のアレンジは、個人的には彼女の歌の力を見せつけてくれる名曲のひとつなんじゃないかと思いますがどうでしょう?
たまに東京など首都圏でもライブ活動を行っているみたいですね。
ともかく是非、いろんな方に聴いてほしいです。
というかビバ!民謡!?
★【浜田真理子ー水の都に雨が降る】
★【安来節-浜田真理子】
★【貝殻節-浜田真理子】
♪ヤサ ホーエーヤ ホーエヤエーエ
ヨイヤサノサッサ
ヤンサノエーエ ヨイヤサノサッサ♪
こんなブルージーでカッコイイ囃子詞(はやしことば)があるだろうか!いやマジでw
★【貝殻節(かいがらぶし)歌詞の意味】より
世界の民謡・童謡>日本の童謡・唱歌>ご当地ソング・都道府県別のうた
『貝殻節(かいがらぶし)』
鳥取市に伝わる漁夫の作業唄を元に、1933年(昭和8年)に発表された新民謡・踊り。浜村温泉のご当地ソング。
(…略…)
ホーエーヤの意味は?
『貝殻節』における「ホーエーヤ」については、鳥取市にある賀露神社(かろじんじゃ)の「ホーエンヤ祭り」との関係性が伺われる。
鳥取市公式Webサイトでは、「ホーエンヤ」の語源・由来について次のような解説を掲載している。鳥取市賀露神社の古文書に、それは今から約1300年前に遣唐使吉備真備が帰朝の途次に遭難したとき、賀露浦の若者たちが向う鉢巻で八丁櫓の船を仕立て救助に赴いたときの掛け声が、
「ホーエンヤ、ホーエヤエーエ、
ヨヤサノサッエ」
という木遣りの囃し言葉だったと伝えている。
浜田真理子版では、歌詞は1番+3番のショートバージョンになっています。
元歌は昭和初期の新民謡ジャンルとは言え、ものすごく地元の人々の生活・文化の色匂いを感じて、ほんと古いけど新しいというか、新鮮なインパクトがあります。
だって、木遣りの「ホーエーヤ ホーエヤエーエ」の語源の由来が遣唐使の時代(奈良時代)ですよ!
★【吉備真備の略歴】コトバンク参照
奈良時代の学者、政治家。
生没年:695年(持統天皇*9年)〜775年(宝亀6年10月2日没)
*第41代天皇、父は天智天皇にして実際に治世した女帝(在位:690~697)
藤原京、白鳳文化の頃。
和歌「春すぎて夏來にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香具山」が万葉集に選ばれている。
717年(養老元年)22才で遣唐留学生として唐に渡る
735年(天平七年)18年後の40歳で帰国。大量の書籍や楽器などを持ち帰り、後に朝廷に仕える。日本は唐の文化の本格的な摂取の段階に入る。
751年(天平勝宝3年)56歳で遣唐副使として再渡唐。3年後の754年(59歳)に帰国、大宰大弐、右大臣を歴任する。
儒学、天文、兵学に精通し、釈奠(せきてん)の儀式を定め、刪定(さんてい)付令の選定に参与するなど、文化、政治の面で貢献した。享年80歳。
いやー、まさか「貝殻節」が奈良時代の遣唐使へ繋がっているとは思わないですよ(´・Д・)あーびっくり。

ちゃんとした浜田真理子ファンの方に読んで頂いて恐縮です。
>安来節
いいですよね~!もう最初のピアノの出だしから痺れました。
>ミニアルバム「Love song」に収録されている貝殻節もいいですよ。
実は松江に行った時に上の雑貨屋で買ったこのライヴアルバムしか持っていないにわかファンなのでまだ聴いたことがないです。
迫力があって切ないっていう感じの名演…でも貝殻節でしょ?…とこのアルバム聴くまでは思ったかもしれないですが、今なら
「ぜひ聴いてみたい!出来ればライヴで!」
と素直に期待大です。情報ありがとうございます。
ビバ!現代民謡!?
安来節いいですよね。聴く前は「へ?ロック?」
と思ったのですが、聴いてしまうと有無を言わせず
聴く者を納得させてしまうような力が感じられます。
個人的なお薦めですが、安来節に感動されたなら
ミニアルバム「Love song」に収録されている
貝殻節もいいですよ。こちらは迫力ももちろんありますが
聴いていて切ない気持ちにもなってきます。
やはり素晴らしい名演です。もしもう聴いていたならごめんなさい。