松江旅情50の繋がりで行くと、病院などにある喫茶店にしょぼいイメージがあるのは緑の船だけだろうか?
特に昔から長くあるような施設には通常街中にある喫茶店やレストランにはない独特のうらぶれたような雰囲気をまとっているものが多い気がする。
入院患者の家族など、こころに心配事を抱えた人々がお客に多いから当然といえば当然かもしれない。
逆に妙にテンションが高く(ユーロビートな音楽がかかってるとか)明るすぎる雰囲気はもっと違和感を感じる気もするし…。
例えばじゃあクラシック音楽ならいいのじゃ?というと、年配の方で「あれは頭が痛くなる…」と嫌がる人もいるらしい。
なのでそういった場では特定の音楽を流すのは人によってはストレスになるのでむしろ静かな方がいいのだろう。
なので、緑の船は用があって病院に行くことがあっても、病院のレストランや喫茶店を利用する気にはあまりならない。
が、ある時とある病院へ通う現地員Kについて某所の喫茶店へ一緒に入ることになった。
ランチ時で小さな店内はそこそこ人がいっぱいだ。
店に入った途端、ふわ~んと漂うラーメンのイイ匂い♪には気がついた。
が、「病院のラーメン」という先入観が緑の船を邪魔し、その時頼んだのホットコーヒーだけだった。
「あれ?お昼食べないの? ここのラーメン旨いに~」
と勧める現地員Kに「今お腹すいてないから~」とさりげなくかわす緑の船。
しかし、他のテーブルで食べている客のラーメンも妙においしそうなのである。
食べている人々が皆「旨い、うまいよ!」と顔を輝かせている…なんてこともなく、皆黙々と箸を動かしているだけなのだが…。
見た目からはラーメン専門店のような「原材料からこだわって作っているぜ!」風なラーメンには特に見えない。
いたってフツーに作って、フツーのラーメン丼に入っているフツーなラーメンにしか見えない。
な の に 、
なんかものすごく食べたくなるような匂いなんですが!?どうしてだ?
そして目の前に現地員Kの頼んだラーメンが運ばれるとその気分はさらに盛り上がった。
(こ、これが隣の市バスはよく見えるの原理か!?)
と涼しい顔でホットコーヒーを飲みながら航海…いや後悔し始める緑の船。
「…おいしい?」
「うちはラーメン好きだけどな、ずずー、なかなかこの辺にはうまい!と思うラーメンがないに、ずずー。でもこの松江にはな、ずずー、○○というラーメン屋と、ずずー、ここの喫茶店のラーメンはほんとに旨いけ!ずずー。
あー、でもなんか昔より味が落ちたかもなぁ、ずずー、でもな、ずずー、それでもそんじょそこらのラーメン屋よりよっぽど旨いから、ずずー、不思議だわー、ずずー」
後日こっそりその喫茶店を再訪してラーメンを頼む緑の船がいた…。
小さくて特にこれといった印象のない某所の喫茶店だが、改めて見ると店員さんたちの雰囲気は素朴でほっとするような雰囲気がある。
とん、と目の前に置かれたラーメン(380円)は、やはりとりたてて書きたてるような特殊な雰囲気はなく、どこにでもあるようなこれといった特長もないごくごくフツーのラーメンといった感じだった。

でも、一口ずずっと食べて思わず「うまっ!!」Σ(゚□゚*)と呟いてしまった緑の船。
な、なにがそんなに旨い!?と説明できないが、とにかくうまいのだ…。
なんとなくとんこつ+なんとなく魚介類系の出汁?のせい?
麺は別に普通の麺な気がするし、具は適当に乗っかってるだけのように見えるし…。
後日、地元にあった所謂本格中華なラーメン屋(厨房も店員も中国人)でラーメンを頼んで食べてみたら「…あれ?」という感じだったのでちょっと考えてみた。
その時「旨いと思えなかった」理由を考え出た答えは、
・汁(麺)がぬるい…。
・出汁が妙に濁っている…。
・店員が無愛想で接客がダルい感じ…。
・混んでもいないのに待たされる…。
という感じだろうか。
多分、あの某所の喫茶店のラーメンが「旨いと思えた」理由は反転するに
・汁(麺)が適度に熱い。
・出汁の香りがいい。
・店員の対応が普通に好ましい。
・ランチ時でもすぐに出てくる。
だということくらいだろうか。
ふーむ、ラーメンの旨さは店構えや見た目じゃまったく分からないものだ…というのがあの喫茶店で体験した教訓だ。
しかし、隣で食べていた人の話しを聞くともなしに聞いていると、
「ん?…この親子丼、親がひとりもおらんが~www」
という会話が聞こえてきた。
やはりテキトーに作っているのか!?と思った。
でもまた松江でラーメンが食べたくなったらあの喫茶店へ行ってしまうかもしれない…と思う緑の船なのであった。