お気に入りホテル以外にも何件か別のホテルに宿泊してみたのだが、今後は泊まることはないだろう、というあるホテルグループがあった。
グループと言ったのはそこも駅極近で本館(*仮名:壁紙館)とか別館(*仮名:金網館)があったからなのだが、別々に宿泊してみてどっちもちょと妙~な雰囲気だったので、たまたまその部屋だけが…ということではないのかもしれない。
実は緑の船のミスで夜になって急遽松江にもう一泊しなければならなくなった日のこと。
JR松江駅に出てきていたのだが帰れなくなってしまった。
じゃあまたお気に入りホテルに泊まればよかったのにとお思いだろうが、その日に延長して昼の12時にチェックアウトしたばかりでなんだかまた戻るのも微妙…だったのとまたタクシーに乗るのがめんどくさいのとで、駅から目の前のホテルにそれぞれ電話を架けた。
が、平日なのに「禁煙室」はことごとく満室状態という日だった。
で、一度泊まったことがあるもののイマイチいい印象のなかったその某ホテル(壁紙館)へ電話をすると、看板に掲げてあるような激安の部屋はもう埋まっているが「●●●●円の部屋ならあります」と空いていた。
とりあえず「禁煙室」があったので荷物を担いでそのままチェックインした。
カウンターで料金を払う段になり、電話で聞いた値段よりも高い値段を言われる。
「あれ?電話では●●●●円って言われたけど?」
と聞くと
「その料金に前もって保証金を付けて払って頂いてます。
チェックアウト時に何もなければ保証金をお返ししています」
との説明。
何もなければというのは部屋の備品を壊したりしなければ、ということらしい。(なんとなく分かるような分からないような…)
でもまあ、本日のお宿確保!ということで明日の「朝食バイキング無料券」を手に部屋に入る。
壁紙館は多分まだ新しいホテルなのだと…思う。
入った瞬間は小綺麗な印象があ…った。
料金はお気に入りホテルよりも高かったが、部屋はかなり広いしカーテンも新しいし部屋の備品も新しい感じが…する。
ラジオ設備があったけど壊れて聞けなかったけど、まあいい…。
…と語尾が段々小さくなっていくのは部屋の小綺麗さに違和感を与える壁紙のせいだ。

メリメリ

ベッドの枕の上辺りの壁。
捲れすぎてホッチキスで仮止め!?

めりめり
ちょっ壁紙、捲れすぎだろこれ!!
もちろんこれで全部ではない。
もういたるところが 捲 れ ま く り。
部屋の備品を壊さなかったらってこういう意味か!?としばらく部屋の真中でぼーっと考えてしまった。
出る時に「ここの壁紙捲ったでしょ!」とか言われたらやだなぁ…と思って「始めからこうなってたよ!」と言えるように写真撮っておこうと思ったんだが、もうホントにキリがないくらいいーーーーっぱい捲れてるので3枚であほらしくなり止めたのだ。
でもまあお風呂は普通に広いし清潔だしベッドメイクもリネンも問題ない。
壁も捲れてはいるが汚れているわけじゃないし(だから余計に気になるのだが…)と風呂に入って寝ることに。
さて、起きてTVを見ている時には気にならなかったのだが、電気を消してベッドに入るとあの音が気になってきた。
あの音ですよ。
パリッ … パリッ
…パリッ …パリッ
パリパリッ …
…パキンッ
パリッ …
エアコンをつけていたので、そのエアコンのフィン?なのか何なのかやたらプラスチックを割ったような音がする。
あまりに気になるのでエアコンを消してみたのだが、パリパリ音は消えない。
ふと思ったのが壁が鳴っているんじゃないのか?ということ。
あの捲れまくった壁紙がパリパリと音を立ててそこらじゅうで捲れていく様が暗闇の中で想像できた。
音はウザイがそう思うとなんとなく納得。
納得できたからすやすや眠れた…ということはなく
でも、マジでうるさいんだよ!
パリパリという音は一晩中続いた。
たいした音量ではないし、隣の住人がうるさかったわけでもないが、静かなだけに気になってしょうがないのだ。
車や波や風の音ならこうも気にならなかったかもしれないのだが。
というわけでやや寝不足気味で目覚めたときは朝9時45分だ…
だーーーーっ!?
慌てて飛び起き10時を微妙に過ぎてカウンターでチェックアウト。
保証金分はちゃんと返ってきたが、サービスの朝飯は食べ損ねた…_| ̄|○ililil…くっ。
後日、
「あの某ホテルの壁紙館さぁ、まだ新しい建物だと思うんだけど壁紙がありえないくらい捲れまくりだし壁が夜中パリパリ鳴ってうるさいしよく眠れなかったよ~、やー参ったよあの日は。あははは」
と乗船客員Yに笑い話のつもりで愚痴ったら
「あの某ホテルはなんかいや~な感じがするからね」
と真顔で言われた。
実は前に一度某ホテルの金網館に泊まったときは乗船客員Yが部屋を取ってくれたのだ。
その時は部屋が、というよりも某ホテル金網館の建物の構造そのものが「ヘン」だったことが印象に残っている。
ホテルの客室フロアには廊下の真ん中に建物を支えるであろう柱(幅70m程?)が何本か立っているわけだが、どういう訳だかその柱の周りの床は周囲1mほどが金網(側溝の上にあるようなメッシュ板のようなあれ*)になっていて、その階下の階下の階下…までよく見える構造になっている。
*グレーチング …こんな感じ。
*エキスパンドメタル …こんな感じ。
「なんじゃこりゃぁーーーっ!?」Σ(:゚;Д;゚:;)ノ
うっかり金網を踏んだら下に落ちる錯覚を起こして大抵の人ならビックリして飛び退ること間違いない。
それもエレベーターの真ん前にその柱があったりするものだから、分かっていてもうっかり床の金網を踏むこと踏むこと。
その度に「うおっ、おおぉお~!」と金網の上で踊ってしまう。
松江の人にはあの階下が見える金網の床構造は当たり前なのか?と思いきや、ある日の真夜中にどんなトラブルがあったのか知らないが廊下でケンカらしき騒動があり、「ナイフで刺された~!!」と叫ぶ酔っ払いの声に救急車を部屋から呼んだ人がドアの前で様子を覗いていたら、担架を抱えた救急隊員がその金網を踏んで「うおっとぉとぉおおおおおおっ!?」と踊っていたというのだからやっぱり誰でもあの床には驚くのだと思う。
素人ながら、あの構造では階下で火事になったら金網が煙突の役割を果たしてよく燃える上に煙が全館にあっという間に回っちゃうんじゃないかなぁ…などと心配した。(非常口の確認、確認)
ついでに下から上を見上げれば、運がよければ(?)スカート姿の女性が立っていたり…なんてこともあるかもしれない。(やっぱ構造上ヘンだろそれ)
天井を見たら人と目が合った、なんて状態はやはり不気味な気がする。
とまあ、部屋の壁が鳴りはしなかったがその異様な構造にちょっと引いたのが某ホテル金網館の緑の船の印象だ。
緑の船はその後その金網館はすぐチェックアウトしたのだが、乗船客員Yはもう何泊かしたらしい。
が、どうにも部屋の居心地が悪いため部屋を変えてもらったりしたそうだが、その「ヘンな感じ」は消えなかったそうだ。曰く、
「壁にカメラ(?)みたいなモノがいっぱい取り付けてあって落ち着かないし空気もヘンだし…。金網館っていうか某ホテルにはもう泊まらない」
カメラっていうのはよく分からないがとにかく小綺麗なのだが居心地が悪いと言う意味だろうと思われ。
ちなみに乗船客員Yに霊感があるというのは聞いたことがない。
さらに、乗船客員Kにも同じように某ホテル壁紙館のパリパリ音の件を報告したところ、さっと顔を硬くして
「そ、それっていわゆるラップ音だったんじゃないの…?」
とドン引きされた。
乗船客員Kは自分では認めないが霊感のある方だと思う。
具体的に何が見えるとは言わないが、空気が重いとか澱んでいるとかすごく気にする。
とある駐車場に車を停めようとした時、
「そっちはイヤな空気がするからこっちに停めて~(つД`)ノ」
と移動を懇願されたこともある。
緑の船はまったくなんの空気も分からないが、
「多分あっちは昔お墓だったところだと思う」
とかガクブル(:゚; ;゚:;)でイヤがられたことがある。
霊感あるらしき乗船客員Kは某ホテル壁紙館の一件を聞いて
「そーいう場所には自分だったら怖くて玄関からすでに入れない。
宿泊なんて無理むり無理ぜーったい無理!」(:゚; ;゚:;)
とドン引きである。
しかし某ホテル壁紙館の部屋の写真は撮ったけど特に何も映ってはいないようだし、パリパリ音以外の弊害は確かになかった。(うるさくてよく眠れなかったが)
そんなこんなであのホテルグループには今後泊まることはないと思うが、気にしなければ何もないとも付け加えておこう。
しかし例え霊的現象ではないにせよ、一晩中壁の鳴る部屋っていうのは落ち着かないと思う。
ただ、緑の船的にはそんな怪現象よりも実は某ホテルの自己主張バリバリの松江の景観なんて無視!無視!な建物の外観が最悪に気に入らなかったのだったりする。
けして古くて薄汚れているわけではないが、あの外観は個人的にぜったいに好きにはなれない。
チェーンホテルらしく他の都市でも見かけるが、情緒あふれる松江の地にはそぐわないどうにも興ざめな景観になっているのでなんとかしてほしいものだ…。