航海記 ♪歌いながら行くがいい♪
私の船は、時々歌いながら旅に出る。
船と海とジャズの風景 〜スローボートからの手紙〜

夏の間に終わらせようと思っていた「船の思い出シリーズ」も(その8)からしばらくじっと停泊中。。。ここは台風19号(萩美須)に足止めくらってしまったので、とでも言っておきましょうか…(´д⊂)トホホ
★【船の科学館と「宗谷」の思い出 8 細部に宿る魂】2019(R1)/08/05(月)



なので船繋がりのお題で場を繋ぐ♪(・ω・)/ ♪(お茶を濁すとも言う)
緑の船は船だけに船の音楽が気になるのである。


★【Ryo Fukui - A letter from slowboat (full album) [Jazz] [Japan, 2016]】2016年(発売:2/17、録音:2015年1/25,1/26)



なんとなく聴くもののそんなにジャズの定番曲に詳しくもない私。以下メモ代わりに収録曲の原曲等について基本情報も含め記載してみました。
*LPアルバムはA面とB面があるのである。

福居 良A letter from slowboat』=

 A1=01 Sonora (0:00-7:36)
*50年代に一世を風靡した人気ピアニスト、ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes ‎:1928年〜1977年)の名曲。オリジナル演奏は1971年発売アルバム『Spanish Steps』(レーベルBlack Lion)に入っている曲。『Sonora』は日本語では"ソノラ"または"ソノーラ"と表記されている。ハンプトンは進駐軍の一員として3年間日本に住んでいたこともある。
   Hampton-Hawes-1971-SpanishSteps.png


 A2=02 The Old Country(7:37-14:43)
*「日本制作盤」としてのアルバム。録音:1990年12月5~6日、NY。演奏:ナット・アダレイ(Nat Adderley:Cor)、ヴィンセント・ハーリング(Vincent Herring:As)、ロブ・バーガド(Rob Bargad:P)、ジェームス・ジナス(James Genus:B)、ビリー・ドラモンド(Billy Drummond:Ds)
「The Old Country」(1992年発売アルバム『The Old Country』の1曲)はナット・アダレイ(1931年 - 2000年)の代表作と言われている。

   Nat-Adderley‎-1992-TheOldCountry


 A3=03 Stella by Starlight(14:44-18:33)
*和訳は”星影のステラ”で有名な曲。
1944年の映画「The Uninvited」(邦題:呪いの家)の主題曲(作曲:ビクター・ヤング。原曲はインストゥルメンタル)。1946年、ネッド・ワシントンが歌詞を付ける。1952年、チャーリー・パーカーが取り上げて以来、ジャズ・ミュージシャンたちが好んで取り上げるようになった曲。一例↓でビル・エバンストリオ。
 ★【Stella by Starlight - Bill Evans Trio.】(1966年10/28)

  
 *演奏 : Bill Evans(P)、
   Eddie Gomez(Double Bass)、Alex Riel(Dr)
 観客の皆さんがなんとも神妙な顔で聴きいる様子が面白いですw
 しかし、このライブの雰囲気がとっても好きw
 ビル・エバンスのピアノの弾き方?音?何となーく好きなのです。



 A4=04 Chasin’ the Bird(18:34-25:05)
チャーリー・パーカー(Charlie Parker Jr:1920年〜1955年)のビ・バップのアルバム『Chasin' the Bird』より。バード(Bird)は鳥が歌うようにアルトサックスを吹く様からついたチャーリー・パーカーの愛称でもある。
   charie-parker-chasinthebird.png
 ★【Charlie Parker-Chasin' the bird
  
harlie Parker All Stars-Harry Smith Studios(演奏:1947年8/5、NY)マイルス・デイビス(Miles Davis:Trumpet)、チャーリー・パーカー(Charlie Parker:Alto sax)、Bud Powell(P)、Tommy Potter(B)、MaxRoach(Dr)

=ビバップとは?=
●1940年代に起こったジャズの新たな流れ。従来のスイングジャズより小人数編成で演奏され、アドリブを重んじ高い音楽性を持つ。バップとも呼ばれる。(大辞林 第三版の解説)
●ニューヨークの黒人街ハーレムのクラブでは毎夜ジャム・セッション(jam session:任意にグループを組み即興で演奏しあって腕を比べあう集い)が行われた。そこから互いの創意による新しい演奏スタイル、ビバップ(be‐bop:略してバップbop)が生まれた。バップは、リズム、メロディ、ハーモニーの3要素に新しい創意を加えたもの。もともとジャズは4拍子の1,3拍目におくアクセントを、2,4拍目にずらして演奏するところからオフ・ビート(off beat)音楽と呼ばれたが、バップは4拍子を感覚的に8分割し〈1と2と3と4と……〉の〈と〉の部分にアクセントをおいた。(世界大百科事典内のビバップの言及について)*ゴメン(=∀=)…なんか全然わかんないw



 B1=05 Soultrane(25:06-31:52まで?)
※動画では31:53からまた同じ曲が始まる…
*1958年発表、ジョン・コルトレーン(John Coltrane:Ts)の名盤『Soultrane』より。他メンバーはレッド・ガーランド(Red Garland:P)、ポール・チェンバース(Paul Chambers:B)、 アート・テイラー(Art Taylor:Ds)。
   JohnColtrane-1958-‎Soultrane


 B2=06 Speak low(?31:53-38:38?)
※B01(05)とB02(06)の繋ぎがよく分からず…。
 Soultrane(B01=05)の途中でSpeak low(B0=06)の
 一部パートが挿入されているような…(?_?)

*和訳は”小さな声で話して”、”ゆっくり低い声で囁いて”。
1943年、ユダヤ系ドイツ人の作曲家クルト・ヴァイルがにブロードウェイミュージカル『ヴィーナスの接吻』のために書いた曲。
1959年、ジャズピアニストのソニー・クラーク(Sonny Clark)による「Speak Low」のメンバーはドナルド・バード(Tp:トランペット)、ジョン・コルトレーン(Ts:テナーサックス)、カーティス・フラー(Tb:トロンボーン)、ポール・チェンバース(B)、アート・テイラー(Ds)。他、2011年のトニー・ベネットとノラ・ジョーンズのデュエットでも有名。2014年に公開されたドイツ映画『あの日のように抱きしめて』の挿入歌としても「Speak Low」が使われネリー役のニーナ・ホスが歌っている。
★【ジャズのスタンダード・ナンバー、「Speak Low」とは?】TBSラジオ:2017年(平成29年)3/17(金)放送より

   SonnyClark-1957-SonnysCrib.png
   

 B3=07 Nobody knows the trouble I’ve seen (38:39-45:20)
*和訳は”私の抱える悩みや悲しみを誰も知らない”
(神様しか知らない、神のみぞ知る、神様は知っていてくださる)
19世紀半ば頃から広まった黒人霊歌・スピリチュアルソング。ジャズミュージシャンのルイ・アームストロング(Louis Armstrong/1901年〜1971年)によるアレンジ・演奏が世界的に有名。数多くのCDや楽譜などにも収録される定番の曲。
歌詞では、「誰も自分の苦しみや悲しみを知らない」とあるが、これは孤独で気弱に嘆いているわけではなく、「Nobody knows but Jesus」=すなわち”主イエスはちゃんと分かっていてくださる、だから心を強く持って苦しみや悲しみにも耐えていける、そしていつか主イエスの元へ旅立つんだ”という救いと希望のメッセージが歌い込まれていて、ルイの歌もどこか明るく力強い。
 ★【世界の民謡・童謡:ホーム>黒人霊歌・スピリチュアル】より



 B4=08 Be my love(45:21-46:55)
*ジャズ・ピアニスト、キース・ジャレット( Keith Jarrett:1945年生まれ。ジャズにピアノ・ソロというジャンルを創り上げたとも言われる)が1999年に出したピアノソロ・アルバム『The Melody At Night,With You』(慢性疲労症候群で活動を休止していたキースが1998年に自宅で録音したアルバム)の中の収録曲(Be My Love)。キースの演奏も含めメロディの美しさを堪能できる一曲。
   KeithJarrett-1999-TheMelodyAtNight-WithYou.png
 
*なのだが、動画ではラストの曲が途中でいきなり尻切れトンボなのが残念…。曲全体の雰囲気はこちらでどうぞ↓
★【Be My Love(ビー・マイ・ラブ)~The Melody at Night, with You~】(後藤文俊氏のカバーより)

  

 ※付け焼き刃にて間違い等ありましたら教えてください…
                    ♪(o・ω・)ノ))
  しかしこんな私でも名前だけはほぼ知ってるって言うw
  改めて私の中で ” ジ ャ ズ と は " こんな感じなのだな〜と
  思った次第。




●演奏:福居良トリオ
   <福居良(P)、粟谷巧(B)、竹村一哲(Ds)>

●録音:2015年(平成27年)1月25日(日)、26日(月)。ホームグラウンドのライヴハウス「slowboat(スローボート)」にて。



最近聴き始めたお気に入り、アルバム「A letter from slowboat」。

fukui-ryou-2016-ALetterFromSlowboat-1.png


実はこれを聴くまでは全く知らなかったのですが、北海道出身の名ピアニストと謳われる福居良氏のジャズライブアルバムです。
 ※発売:2016年(平成28年)2/17(録音はその前年)

ジャケットが海だし船だし波だしの素敵デザインね(*´∀`人 ♪
…で聴き始めたものの、曲そのものは海も船もあまり関係ありませんw…と言うか完全にアルバムタイトルにまんまと釣られた緑の船ですw




そうして最近になって聴き始めたのに、なんとこの5枚目のアルバムが発売された年の2016年(平成28年)に福居良氏は惜しくもこの世を去っておられました…(; ´Д`)ノno---!(まだお若いのに…と最近も嘆いた記憶が)


= 福居 良(ふくい りょう)=

1948年(昭和23年)北海道日高管内平取町生まれ。
 18歳でアコーディオン、22歳でピアノを始める。

1976年(昭和51年)1st アルバム『Scenery
            (*"風景")を発表。28歳

1977年(昭和52年)2nd『Mellow Dream』29歳

1986年(昭和61年)38歳で帰札。以降は札幌ススキノライブハウス「スローボート」を拠点に全国で活躍。

1995年(平成7年)3rd『My Favorite Tune』47歳
 …2作目から18年振りとなるリリースはソロアルバム。

1999年(平成11年)4th『福居 良 in New York
                       51歳
美しい旋律のオリジナル曲と、力強くスウィング感あふれるビ・バップスタイルの演奏で多くのファンを魅了する。

2012年(平成24年)64歳。ジャズピアニストとして初めて札幌文化奨励賞を受賞。

2016年(平成28年)68歳。16年ぶりにリーダー・アルバムを制作。5th『A Letter From Slowboat
*2015年(平成27年)に福居も実力を認める有望なふたりの若手とともに福居良トリオとして演奏したもので、録音はホームであるライヴハウス「slowboat(スローボート)」で行われた。

fukui-ryo-2016AletterfromAlowboat-sndp.png
★【ディスクユニオン>JAZZ RECORD>MODERN JAZZ>「A LETTER FROM SLOWBOAT / レター・フロム・スローボート」】より参照。
*こちらのジャケットは2ndプレスバージョン:4,104円(税込:これはまだ8%の時)→今は4,180円(税込:こっちが10%)でした。


2016年(平成28年)3月15日逝去。(享年68歳)

★【ディスクユニオン>福居良】より参照。
個人的には「A LETTER FROM SLOWBOAT」のジャケットは初回盤のデザインの方が好きです♪



しかし、この2ndプレスのLPアルバムも今年の2019年(まだ平成31年)3月15日に発売なのにすでにもう完売。
もっとプレスしてもいいと思うのよ…と言いつつ、よくよく考えたら我が家にはLPレコードで聴けるプレーヤーがなかったわ。そういえば昔は実家にプレーヤーもレコードも大量にあったけど断捨離で捨ててしまったんだっけ…。子供の頃だったから当時は別に何も思わなかたけど、今思うと勿体無いなー。

そうね、どうせならでっかいウッドスピーカーなんかでレコードをかけて聴けるような部屋で、ゆったりしたソファーに埋もれて音楽の波に浸りたいものだわね。淹れたてのコーヒーを手に、窓から遠くに海が見えたりしたら最高。
でも、雨の日にお家に籠もって聴くのも悪くないと思うの。トタン屋根を叩く雨音とジャズも、もしかしてオツなバップでなくて?
(もう間取りとか書いちゃうわ♫妄想カフェならいくらでも企画できますw)
ああ、ご近所に懐かしい感じのジャス喫茶とかあればイイのになぁ。




「slowboat(スローボート)」は福居良氏の経営しているお店の名前で札幌市ススキノでは有名なジャズの聞けるお店なのです。
アルバムタイトルは、演奏したその店名から「スローボートからの手紙」となっているのだと思うのだけれど、今となってはもう亡くなってしまわれた氏からの ”ジャズ演奏による最後の手紙” 、みたいな感じでしょうか。。。


○店名:jazz live SLOWBOAT(ジャズライブ スローボート)
 ★【HP「slowboat」
○場所:札幌市中央区南三条西3丁目6-1
   (地下鉄南北線すすきの駅1番出口から徒歩3分。)


1995年(平成7年)創業、北海道を代表するピアニスト・福居良さんのジャズライブのお店。
福居良トリオをはじめ、実力派ジャズミュージシャンの本格的な生演奏がほぼ毎日聴けるジャズライブハウス。ステージとの距離が近く、迫力ある生のサウンドを間近に感じられるのが魅力。学生はL.C.のみ。毎月開催のジャムセッションも好評。

 「slowboat」HPより






福居良氏がピアノを始めたのはなんと22歳からだそうで、1stアルバムを録音したのも28歳なのだから驚きです。(20代の伸び代ってスゴイわね…Σ(・□・)

ライブハウスの名前になっている「slowboat(スローボート)」は、あえて和訳すると” 船足の遅い船 ”と言う意味でしょうか。自身のピアニストとしてのキャリアのスロースタートな感じを表現したのかもしれませんし、何かしら” 船 ”にまつわる思い出があったのかもしれません。

個人的に、なんとなく海を滑るようにのんびり進んでいく、ゆったりとした船影を感じる名前が印象的で「ああ、いい名前だよなぁ…」とその響きがいたく気に入ったのでした。(船だからだけではない…いやそうかもw)



○1976年(昭和51年)1st アルバム『Scenery /シーナリー』(41:21)
 演奏は1976年9月:福居良(p)、伝法論(b)、福居良則(ds)←よく似た名前だと思ったら氏の弟さんらしい

fukui-ryou-1976s51-Scenery.png

A1=01 It could happen to you (0:00-4:15)
A2=02 I want to talk about you (4:16-10:48)
A3=03 Early summer (10:49-21:33)

B1=04 Willow Weep For Me(21:34-29:16)
B2=05 枯葉( Autumn Leaves )(29:17-35:48)
B3=06 Scenery (35:49-41:20)


A1*ジョニー・バーク作詞、ジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲(1944年)
A2*エラ・フィッツジェラルドとジョー・パスのバラード集『Take Love Easy』(1973年)に収録された曲。
A3*ピアニスト市川秀男のオリジナル曲。(1974年録音:森剣治&市川秀男)
B1*アン・ロネル作詞・作曲(1932年)。邦題は「柳よ(私のために)泣いておくれ」
B2*フランス語歌曲(シャンソン)の「枯葉」が1949年アメリカに渡り、何種かのコーラスバージョンが生まれた。特に1952年のナット・キング・コールのバージョンが有名。
B3*福居良のオリジナル曲。ピアノソロっぽいメロウな曲。
英語の"scenery" はある地域全体の風景や景色を指す場合によく使う言葉。
”風景”と訳すことが多い。”view”や”landscape”ではまたニュアンスが変わってくる。


★【Ryo Fukui - Scenery 1976 (FULL ALBUM)



1st アルバム『Scenery /シーナリー』の中では、アルバムタイトルでもある氏のオリジナル曲「Scenery」が好き (´ω`人)♡
この曲だけ延々と聴いていられるくらい好きです。
福居氏にとってどんな風景がこの曲に込められているのか、聞けるのなら聞いてみたかったわ。

もうお亡くなりになってしまい、氏の演奏を聴くことは叶いませんが次回北海道へ行くことがあれば、いつも演奏していたというこのライブハウスへ行って、スローボート(slowboat)に乗っているかのようにジャズナイトをゆったりと楽しんでみたいな〜と思う緑の船でした。(前に札幌市に行った時は慌ただしいジンギスカンナイトで終わってしまったのだ。ジンギスカンは当然に美味しかったw)

もう何年前になるんだ!?なその北海道旅行は、バイクで回ったツーリングだったのですが最近はがっつりと△キャンプ道具が増えてしまい、次に行く時は車になりそうな気がする。するけれど。。。





((´ω`人)。o○(いやいや、やはり北海道へはバイクでしょ!
次回の北海道ツーリングでの、やる事リストに「スローボートなジャズ♪」が一つ追加されたのでした。(私の船もまた ” スローボート " なのだった)





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