航海記 ♪歌いながら行くがいい♪
私の船は、時々歌いながら旅に出る。
2014(平成26年)のタイムマシン 7 「一夜橋」の里へ

もうほぼ『蟲師』巡礼的な意味もあったこの時の目的地。

それは四国の深い山間、祖谷渓(いやだに・いやけい)に架かる吊り橋。
『蟲師』第4巻「一夜橋」(アニメ:第13話)に出てきた山間の村に架かる吊り橋のモデル、かずら橋を見に行くこと!



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こちらは、物語に登場する20年に一度だけ蟲が架ける吊り橋、”一夜橋”。
蟲の渡る方向へなら人も同時に渡れるが、途中で引き返すと…。
山間の閉鎖的な村での悲恋とそこで生きる人々の生活を、蟲の渡りを軸に紡ぐ物語がこの「一夜橋」。

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「一夜橋」…初めて”取材旅行”で徳島の祖谷まで行きました。かずら橋も渓谷もかなり衝撃でした。

 作者あとがきより








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=祖谷山=(いややま)

徳島県西部の祖谷川・松尾川流域の山間部地域のこと。
かつての美馬郡(後に三好郡)東祖谷山村・西祖谷山村の地域に相当し、現在の三好市の一部にあたる。
 
 by Wiki


=かずら橋=

野生のシラクチカズラで編んだ吊り橋。
日本三奇橋の一つで3年に一度かけ替える。
約800年前に源平の戦いに敗れた平家一族が、剣山、平家の馬場での訓練に通うため架けられたと言われる。長さ45m、幅2m、川面からの高さは14mにもなる。敷綱でつながれた横木と横木の間は10cmほど離れているので、足元にのぞく川面はスリル満点!

 ★【4travel.JP】(>国内>四国>徳島>祖谷渓・かずら橋・大歩危 観光)より




=日本三奇橋=(さんききょう)

日本の古橋の中でとくに構造的に変わったものとしてあげられてきた岩国(山口県)の錦帯橋甲斐(山梨県)の猿橋黒部(富山県)の愛本橋をいう。
愛本橋の代りに木曾(長野県)の桟(かけはし)あるいは祖谷(徳島県)のかずら橋を入れる説もあるが、桟はけわしい崖に沿って板をかけ渡した橋で、構造的には上述の諸橋ほどの特色はない。(あのー、かずら橋の件は…)
錦帯橋は1673年(延宝1)に創建された木造アーチを主体とする優美な橋。
猿橋は少なくとも13世紀以前にはつくられていたに違いないはね木橋。
愛本橋(1656年(明暦2)創建とされている)も原理的には猿橋と似た構造で、より大規模な橋であった。が、1891年まったく別の形式の橋に架け替えられてしまって今はない
 
 ★【 ジャパンナレッジ「三奇橋」】より




かずら橋は三奇橋には入ってたり入ってなかったり?
愛本橋と比べると、その”形”は今も現存しているという意味で、愛本橋よりもかずら橋の方が三奇橋にふさわしい!という意味で入っているのかもしれません。



そんな祖谷渓にあるという”かずら橋”へGo!


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タイムマシン6のセレブなリゾートホテルから一転、ウネウネした険しい山道を走り、途中で山の斜面にへばりつくような急傾斜なキャンプ場でまずは一泊w

しかし一体何処のキャンプ場だったのか…。
近くに温泉があったのだけは覚えているのだが、場所も名前もすっかり飛んでしまっている。テヘ(´∀`;)ゞ
ホテルからかずら橋までそんなに遠かったっけかなぁ?



なんか、キャンプするためにキャンプ場を探して深い山の中を走り回ったような気も。。。





そう言えば四国の山は、中部や中国地方、九州の山ともまた雰囲気が違う気がするよ。
もしかして主(ぬし)の性質にもよるのかもしれぬな。


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そして私は石橋も好きだが、石垣も好き♪

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(これはちょっと分かりにくいけど…)


四国の山の中には心踊る石垣がまだまだ数多く残っていた印象がある。
平地の乏しい山間で田畑や家屋用の土地を少しでも多く作ろうとした努力が垣間見え、人がコツコツと築き上げてきたその時間に、車でさらっと通り過ぎているだけではあるのだが、後ろ髪をひかれるような思いで目をやったりした。






さて翌朝。
キャンプ場を出てまた山深い道を走り、いよいよ本命のかずら橋へ!





 …んお!?

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なんか思いがけない案内人の登場にビビるw

そして念願のかずら橋とご対面!


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(見切れてますが 手は”かずら橋のポーズ”ですw)






 …

正直に言うと、ちょっと想像と違ったw

谷にはかずら橋を眺めるための観光用の鉄橋が架かっておった。
一度その橋を渡って、向こう岸からかずら橋を渡るために受付で入場券を購入する。


こんな感じかぁ(´-ω-`)なんだかなぁ、とちょっと肩透かし。





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=重要有形民俗文化財 祖谷の蔓橋(かずらばし)=

急峻な四国山地に抱かれた祖谷地域は、屋島の合戦に敗れ逃れた平国盛安徳帝の一行が、平家再興を願い土着したと伝わる隠田集落であり、近代まで外部との交通が隔絶されていたために、中世以来の生活様式や独特の風俗が原形に近い状態で残されている。

この祖谷地域を流れる祖谷川に、国の重要有形民俗文化財に指定される祖谷のかずら橋が架かっている。厳寒な冬の山野で採取したシラクチカズラを編み連ねて作られたこの橋は、橋床の隙間から谷底が見え、長さ45mの吊り橋の揺れと相まって渡る人に適度なスリルを味わわせる。

日本三奇橋にも数えられるかずら橋の由来には諸説あり、平家の落人が追手から逃れるために切り落とせるように作ったとする説や、四国を巡行された弘法大師が困っている村人の為に作ったという説などが伝えられている。
両岸の古木に重みを託し、祖谷川の清流に影を映した悠然たるかずら橋の姿は、遠い昔の祖先の暮らしを思い出させるとともに、自然と調和した美しい景観を生み出し、その強烈な個性は多くの観光客の琴線を刺激し続けている。

長さ:45m、幅:2m、水面からの高さ(中央):14m

 (現地看板より)



多分、もっとこう本気で山深い谷に掛かっているような恐怖の吊り橋を想像していたため、「あれ?意外と短いなぁ、下の川までそう高くもないよね?」とちょっぴりがっかり。

しかし、近くで見てみるとやはり日本三奇橋の一つだと言われるだけの存在感である。



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おお!「一夜橋」でギンコがビビりながら渡った吊り橋と確かに同じ構造だ!
(*このかずら橋とは別にもっと秘境に二重かずら橋と言うのもあると今更知る)





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先にいた家族連れがキャーキャー騒ぎながら渡っていて、面白がってわざと揺らしたりしていたので渡りきるのを待って、いざ。




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お?



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大した高さではないと思うが…
 一歩、 一歩。

ゆら、ゆら…

(こ、これを夜に渡るのはちょっと…)




ぎゃーっ!((((;´д`))// ギョッギョエーッ!

屁っ放り腰でヨロヨロ渡る緑の船を見て「え?そんなに怖いっけ?」と涼しい顔でスタスタ行く乗船員K。
大したことない感じ〜とか言ってたくせに意外に(かなり)怖かったですw






最初の印象でちょっぴりがっかりなんて言ってしまいましたが、でもやはりこの橋の風景は中々にステキでもありました。


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鑑賞用の鉄橋がなければ、この美しいかずら橋を気楽にゆったりと眺めることも中々できなかったりしたかもしれません。





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今は生活の足としてではなく観光用となっているとは言え、素材が植物の蔓で寄って作ってある橋だけに今も3年に一度は架け替えるらしく、2018年(平成30年)に3年振りに架け替えたと言うニュースがあったからその前は多分2015年(平成27年)。
我々はその前年の2014年(平成26年)に渡ったから、その時は蔓の色や雰囲気もいい感じで馴染んでいたって訳です。

自然からの素材とは言え、蔓もかなりの大きさ。
昔はこの蔓を編むのも村人総出の大仕事であったに違いない。(きっと今も)
これを3年に一度掛け替えなければならないのだから里の人々は相当大変だった事だろう。
きっと、自治会の仕事なんてめんどくさ〜い、抜けたーい(´Д`lll)なんて言ってられないような切実な共同作業も多かろう。




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でも、そんな人々の共同作業があってこそ、この橋は今もこの形を留めてこうしてここにあるのだろうと思います。
里の皆さんのその日々の努力に σ(`・ω・´)敬礼!








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 「ゼン…やっぱり、だめだよ…
  こんなふうに私たちだけ、幸せになんかなれないよ」



  未練はないな?
  この橋、戻れば落ちるぞ。



 「…進めない。この中にハナだった奴がいる。

       踏みつけてなんざ…   進めない」





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「一夜橋」の物語の背景には、自分だけの事を考えているだけでは生きてはいけない世界で、自分だけの事を考えていては幸せにはなれないと言う悲しくも厳しい現実も描いてあるのだと思います。







★【Mushishi & Mushishi Zoku Shou OST - All Ending Themes by Toshio Masuda | 蟲師


「一夜橋」のテーマ曲は29:12から。
ちょっと切ない回なので音楽も暗めですが『蟲師』の曲はどの曲も好きです♪
アニメ初回の「緑の座」0:00 ("The Green Seat")から、マンガ『蟲師』の世界観を広げてくれ寄り添うような音楽に引き込まれました。
「やまねむる」24:43 ("The Sleeping Mountain")はその中でも特にお気に入りの回であり一曲でもあり。
アニメ『蟲師』の中では異色の曲であろう「日蝕む翳」1:02:49 ("The Shadow That Devours the Sun")も良いし、あーもうどれも捨てがたい!…もう「鈴の雫」2:00:49( "Bell Droplets”)までずっと聞いてほしいw

★【増田俊郎(ますだとしお) ‎– 「蟲師」オリジナルサウンドトラック 蟲音(むしのね) 全】by DISCOGS


<おまけ>
★【アニメ『蟲師』(全26話)】dアニメストアより

★【アニメ『蟲師』特別篇「日蝕む翳」公式サイト】2014年(平成26年)4/23(水)発売(Blu-ray、DVD)

★【アニメ『蟲師 続章』公式サイト】続章(全20話)+特別編「鈴の雫」(あらすじ)






書いているうちにキャンプ場、思い出したw

★【祖谷渓キャンプ村】公式HP

柳田國男は“イヤ”・“オヤ”は元は祖霊のいます地という意味を持ち、後にその意味に合った漢字を当てはめたとする説を唱えているいます。


 ○所在地:三好市池田町松尾松本524-2
 ○電話:*受付時間は8:30〜17:00
 ○営業期間:4/1〜11/30
 ○料金:<施設利用料>
      大人/500円、小学生/300円、小学生未満/0円
     <利用施設>
     ・テントサイト(持込テント)/1,000円
      (テント1張り分。デッキ(板張り)も野営(露地)も同額)
     *freeのWi-Fiあり(ID、パスは管理棟に掲示あり)
     *他バンガロー等もあり(5人用、8人用、会議室)
     *詳細はHPにてご確認を。






地図ではそんな距離はないように見えるけれど、山深く道が険しいためとっても時間がかかった印象。
我ながら何故そんな秘境なキャンプ場を選んだのか…と思ったけど、多分そんな秘境だったからGWでも急に泊まる事も可能だったのかも。

キャンプ場の上流に「祖谷のかずら橋」、下流に「松尾川温泉」があり、こうしてみると中々良い位置にあったと思います。



★【松尾川温泉HP】源泉掛け流し!
 ○所在地:徳島県三好市池田町松尾黒川2−1
 ○営業時間:10:00〜20:00
 ○定休日:(水)(*祝日の場合は営業)、12/30~1/3
 ○料金:大人/510円、小学生/310円、小学生未満/無料
 ○アクセス:井川池田ICから車で→約30分
       JR阿波池田駅から車で→約25分





こじんまりとした、いい温泉だったなぁ。。。(*´v`)




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