さぁ次は7代目藩主の廟門…といく前に、蔵のような建物の「御霊屋」を拝んでおきましょう。

これは7代不昧公の廟門から5代宣維公の廟門へ向かう途中に見える御霊屋の側面。
冬で寒々しい雰囲気だが、6月頃には石畳の両側に2~3万本あるという紫陽花がたわわに咲き誇って、さぞ瑞々しい光景に変わるのだろうなぁ。
この見事に咲き誇る紫陽花の噂で、近年この月照寺は「山陰のあじさい寺」とも称されるようになっている。
6月かぁ…。
いいなぁ、雨のしとしと降る月照寺もなんだか情緒的なイメージで良いな。
その6月には「花供養」という法要が行われるのだそうだ。
これは日頃私たちの目を楽しませてくれる花の供養を行うというもの。
ここ月照寺には四季折々に「花」を楽しむこともできる。
1月 山茶花
2月~ 椿
3月下旬~ 桜(今年は暖冬だから、もっと早くに開花するかもしれない)
4月中旬~ つつじ、睡蓮
5月~ 杜若、菖蒲、藤の花
6月中旬~ 紫陽花
7月下旬~ 百日紅(さるすべり)
11月頃~ 紅葉

この時はただの蔵のようなものかと思っていたが、歴代藩主とその奥方の位牌などが収められているところで「御霊屋」と呼ばれているのだと今更知る。
年に1回8月16日にだけ公開されている。
ちなみにお盆の8月15日は、御霊屋開きに合わせて、境内に約500基の灯籠に火を入れて仏様を供養するための「万灯会(まんとうえ)」(送り火)が行われる。
うーん、想像するに幻想的な感じ。
見てみたいなぁ、「万灯会」。
さて、この建物の正面の庇には、横に一本柱が(梁?)が刺さっている。
その柱には変わった動物が彫刻されていた。
近寄ってよく見ると…

それはどうやら「ゾウ」のようだった。
遠くインドからやってきた仏教のルーツを垣間見る装飾だ。
きっとこうして蔵の中の歴代のお殿様と奥方の位牌を守っているのだろう。

緑の船が訪れた時、花はほとんど見られなかったが、冬の透き通った空を葉の落ちた木の枝に透かして見る図も中々好きだったりする。
ん?誰?

と、ふと足元を見ると万両の鮮やかな赤。
冬には冬の「色」があり、「花」はなくともここはいつでも訪れる人をそっと歓迎してくれるだろう。
★【万両、千両、百両、の違い】写真参照。
★【季節の花300】…南天と万両の違いが一目瞭然!