航海記 ♪歌いながら行くがいい♪
私の船は、時々歌いながら旅に出る。
水のいれもの 1 田んぼ

まだ梅雨入り前の風景。




紫陽花淡青






紫陽花が色淡く控えめに咲き始め、「そろそろ梅雨かなぁ」と思う頃。
近所の田んぼが土起こしされたと思ったら早速水入れが始まっていた。






水入れ






緑の船は水入れからまだ小さな苗がちょんちょんと植えられたばかりの頃の水鏡のような田んぼが大好きだ。
どんな風景も田んぼに写るととても綺麗に見えるように思うし、どこの田んぼを見てもなんとも言えない郷愁のような感覚に襲われる。
この一時期にだけ現れる水の風景は川や海のようなまったくの自然とは違うけれど、毎日の通勤時朝に夕に眺めてはいつもホッとした穏やかな気分になる。








紫陽花淡ピンク








実はこの田んぼ、2、30年くらい前?だったか「貴重な水資源の無駄使いである!」と全国の田んぼを大量の水を必要としない陸稲耕作に切り替えるべきだ!という議論があったそうだ。
確かに年間に田んぼで使う水量の数字だけ見たらそう言いたくなるのは分からないでもない。
それに実際水を張らなくても稲作は可能で割と農作業も楽で簡易に収穫できるらしい。(ただし収穫量・質などは落ちるとか)

しかしその案は、「田んぼに水を張ることそのものが日本においては水害を軽減させているダムのような役割を持つ」、「乾地稲作を続けると結果的には土を疲弊させ収穫効率を下げることになるが、水田耕作することによってそれは回避でき何年も何百年も同じ土地で稲作を続けられた」、「日本の気候風土から長い年月をかけて水田が発達してきたのであって、単純な水量だけの議論なら意味がない」というような地道な反論によってなくなったそうだ。



確か、同じ水田でも

湿田=もともと湿地で一年中水がある状態の田んぼ

乾田=苗を育成する期間だけ水を張り、収穫時には水を抜くことができる田んぼ

で、基本的にどちらも水稲耕作なのだが、今現在日本の稲作はほとんどこの②の乾田水稲耕作だったと思う。
で、弥生時代以前の稲作は水田でない直播の陸稲耕作だったようだが、長い長い耕作期間を経て日本には水田(水稲)耕作が定着していったと。
で、件の「水資源の無駄使い~」の主張は近代になってそれを原始的な陸稲作(乾地農法ともいう)にすべきだ…というものだったかと。



かなりうろ覚えで申し訳ないけど、今更ながら目の前にある田んぼに、そしてそれを守ってくれた先人に感謝、感謝だ。
私はまったくの非耕作者だけど、田んぼに水がある風景はものすごく大切な気がするので。
田んぼに水が入る風景を身近に見てきたことで、水に対する謝意も自然と培われてきたのではないかと思うのです。






水いれ2







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