さて、順光の北庭もいいよなぁとホクホクしながら屋敷の東面に移動。
風水的に北に玄武(山)、東に青龍(川、水)はよく聞く配置だと思ったが、なんだかその考えも取り入れてあるのかな?とこの井戸を見て思う。
そう言えば偶然かもしれないが、この武家屋敷は玄関からも南に朱雀(海や池、水)という様にその前には松江城のお堀がある。
屋敷の西庭にはどちらかというと背の高い樹木が旺盛に植樹されており、そこには飛び石がぐるりと配置されていて西に白虎(道)の様を呈しているとも見えなくもない。

冬の花木は、特に周囲が木枯れて侘しい時だからこそヒトの心を和ませるのだろう。
今回はたまたま暖かい晴れた日ではあったが、雪を被った風景の中での姿こそ余計にそこで暮らす人々には共感を得るのかもしれない。

お風呂も屋敷の東面に隣接した北面にあった。
山陰の冬はさぞかし寒いんじゃないだろうか。
お湯はあらかじめ沸かしたものを湯船に入れていたようだ。
だがこれではすぐ冷めてしまっただろう。
東面には商人たちの出入り用の上がり部屋があって、商売道具などが見られた。
藩士と言えど、生活するための食事も衣服も日用品も必要だ。
ここではどんな取引やたりとりが交わされたのだろう。


風呂のある北面から屋敷の東面に回って行くと、井戸のそばにこんな物が…。
はて?
なんで家の壁から甕が飛び出てるんだ?
………と目線を上げると、そこは台所。

あ!
そうかっ、ここに水甕があれば、ザバーッっと水を井戸から汲んで外からここに入れてしまえば、わざわざ重い水桶を運ばないでも台所で水がひょいと使えるって寸法だ。

とっても些細な工夫だけど、こう言う工夫って思いつきそうで中々思いつかないかも。
生活の知恵って素晴らしい。
スゴイな~(@∇@)!
と半身の水甕にやたら興奮している緑の船なのだった。