★【エレカシ・宮本浩次「『あなたは大器晩成型だもの』母の言葉が僕の歌を支えている」 いまも、全力で走り続けて 宮本浩次 】※『婦人公論』webサイト:2020年(令和2年)2月25日記事より
老若男女を問わず、絶大な人気を誇るロックバンド「エレファントカシマシ」のボーカル・宮本浩次さん。令和2年度の芸術選奨 文部科学大臣賞 大衆芸能部門を受賞したことが発表されました。デビュー30周年を終えたばかりの2018年、弊誌でインタビューに応じた際の記事を再掲します。
なんと、5年前(2018年/平成30年)の記事が3年前(2020年/令和2年)に再掲されておりました。
エレカシ30周年の47都道府県ツアーを敢行し、NHKの『みんなのうた』からのオファーを受けて「風と共に」を発表、『FNS27時間テレビ にほんのれきし』のドラマ主題歌「RESTART」、NHK BSドラマ『全力失踪』の主題歌「今を歌え」を書きおろし、大晦日には『NHK紅白歌合戦』にエレカシとして初出場するという「キラキラした出来事」があったと言う2017年(平成29年)を振り返る、2018年(平成30年)のミヤジ(※多分51歳当時)の心境が垣間見えます。それを今読めることに感謝!
(略)先日、母の七回忌法要を終えましたが、74歳で他界する前の年までコンサートに来てくれていたんです。大音量だからって耳栓をして(笑)。生きていたら、「風と共に」を聴いてさぞかし喜んだろうと思います。NHK『みんなのうた』に登場したのは、10歳のときにソロで「はじめての僕デス」を歌って以来、40年ぶりのことだったから。(※公表、発売時は51歳なので正確には41年ぶり?)
結局、小学校5年で合唱団はやめてしまったんですけど。「歌のレッスンは女の子みたいだから恥ずかしい」と訴えたら、母は
「そんなこと言っているけど、いつかプラスになったって私に感謝するときが来るわ」
と、息巻いて言っていました。本当でしたね……。でも当時は素直になれなくて大喧嘩をしたりして。
今にして思えば、お母さんという存在が優しすぎて、「あなたは私のものよ」的な母性が疎ましく感じられる反抗期だったんです。そのときも勢いに任せて「うるせぇ!」って叫んじゃったんですけど、完敗でした。母は「なによ、あんたなんか、私から出てきたくせに」って、いわば伝家の宝刀を抜いたわけですよ。それを言われちゃ、ぐうの音も出ない。(笑)
なんだかんだ言っても、母の言葉は自信を与えてくれました。
レコード会社の契約を切られたとき、「なんで俺たちの歌は売れないんだろう?」とぼやく僕に、
「大丈夫よ。だってあなたは大器晩成型だもの」って。
「母さん、なんで俺、人望がないんだろう?」とこぼしたときも、
「人望なんて、これからよ」って即答してくれて、ありがたかったな。
こんなふうに折に触れて母を思い出す僕は、きっとマザコンなのでしょうね。理想の女性も、母のような無償の愛で包んでくれる優しさと、色気が両立している人です……、って大丈夫ですか? こんなこと公言しちゃって(笑)。でも、広い世界の中には、僕にとっての理想的な女性も存在することでしょう。支え合って、楽しい時間を共有するパートナーって大事だと思います。
とはいえ目下のところ、いい歌を作って、いいライブをして、たくさんの人に喜んでもらうこと以上に嬉しいことがあるとは思えないんです。歌を通じて、もっと気楽に生きていこうよと伝えたい。自分にふさわしい人生を生きて、無理しないでと。
「いつも元気を与えてくれて、ありがとう」って言ってくれる人がたくさんいるんだけど、僕らもみんなに自信をもらって、どんどん元気になるんです。この明るいエネルギーのキャッチボールが成立しているうちは走り続けたいと思っています。
構成: 丸山あかね
撮影: 岡本隆史
出典=『婦人公論』2018年(平成30年)7月10日号より
★【エレファントカシマシ「風と共に」】※発売時ミヤジ51歳
時々入るライブの映像がね、またいい
の。ミヤジは時々若返る、とは本当。
とても不思議な表情をいくつも持ってい
るように見える。丹さんの映像の切り取
り方が好きとも言う。
「風と共に」
○作詞、作曲:宮本浩次
○編曲:宮本浩次、村山☆潤
○MV監督:丹修一
2017年(平成29年)7月26日(水)発売。エレファントカシマシの49枚目シングル。同年6月~7月に、NHKの番組『みんなのうた』で放送された。
(丹さんと言えば私は「コールアンドレスポンス」、「今を歌え」のMVが好き。そしてこのMVも何気にミヤジが船に乗ってて好き。そこかいw)
心よ、自由であれ。風の旅人のように。
あなたは私の小さな祈りを笑うでしょう。
今は曇りでもそのうち晴れるさ。悲しみの向こうに私は今を生きたい。
行き先は自由なのだから。風よ、どうか私に相応しい光へ導いてくれ。
新しい自分に出会う旅に、私の未来に幸多かれ!
きっと曇りのち晴れ。
ひとひらのはなびらを手に、ひとかけらの夢を胸に
そうさ、私は出かけて行く。
「風と共に」は発売の1年前に『みんなのうた』側から「はじめての僕デス」を出してからちょうど40年になるので、また歌ってほしいとオファーを受けたことから製作された楽曲であり、生きているみんなは子どもも大人も基本的にはきっとみんな同じ思いだろうと考えて、自分が感じたこと考えていることをストレートに歌詞と曲にした、とミヤジが本作の経緯について語っている。by wiki(ミヤジは ”ストレート” が本当に好きよね)
あれ!?『みんなのうた』だけど3分55秒でOK!だったのね。いやー「はじめての僕デス」は10歳で声変わりもまだだけど「♪分かってくれたら結構、結構♪」のところなんて、もうすでに” 宮本浩次 ”ですよw
…ああ、そっか。「風と共に」発売の翌年、2018年(平成30年)は歌を、歌のレッスンを薦めてくださったお母様の七回忌だったのね。それは、…それは本当に聴いて欲しかったでしょうね。。。ううん、きっとお母様は聴いてるし知ってると思うわ。「ほらね、私の言ったとおりだったでしょ!(ふふん♪」って、今も得意げに笑ってらっしゃるんじゃないかしらね。
いかん、泣きそう。。。なんかね、大好きな歌謡曲をたっぷりと歌いきった「ロマンスの夜」と言う素晴らしいコンサートを実現して、夢の一つを叶えたであろう今の56歳のミヤジを見ているのにね、もうこの記事も5年前のことで、その中の過去のお母様とのやりとりを読んで、あのレコード会社の契約を打ち切られた20代後半の頃や、アルバム『扉』の制作時にもがいていたであろう30代後半の頃のミヤジの形がすごい手触りで感じられるのよ。お母様が亡くなられたのも今からもう10年前で45歳頃だったんだと思うし、その頃はミヤジのことやエレカシのことも私はほとんど知らないでいたと言うのに。
何故なのか、今更、ものすごく…号 泣…(T_T)。。。
まさか『婦人公論』の記事で泣かされるとは。(え?私がおかしいのか!?
と言うか、私の中で宮本浩次と雑誌『婦人公論』のイメージのギャップがw
インタビューの方、きっとめっちゃ上手にお話してミヤジの言葉をまとめたんでしょうねw 文章では「僕」って一人称になってますけど、ミヤジは「私」(それも江戸っ子らしく”あたし”)って言ってたんじゃないかしらと推理。
そう、これは個人的解釈と無駄に長い愛を綴る「ミヤジの沼渡り、その31」です。
しかし、急性感音難聴になったのを「怪我の功名」と言い、2週間入院している間にそれまで1日に120本くらい吸っていた煙草をやめることができたとか、「奴隷天国」をあれはあれで非常に完成度の高い名曲なんだけれど、と自分で褒めてたり(今更だけど確かに確かに!)、バンド31年目のスタートとなった当時のニューアルバム『Wake Up』を「風と共に」「RESTART」「今を歌え」「夢を追う旅人」「Easy Go」とか、聴いたことがあると言っていただける曲のオンパレードで「すべての歌が自信作です!」と言い切ってたり、なんだか過去の発言なのにいちいち私には微笑ましいのよw

エレカシ23枚目アルバム『Wake Up』発売時、ミヤジ51歳
★【エレファントカシマシ 宮本浩次が語った覚醒とは? 新作アルバム『Wake Up』特大インタビュー】(の予告)rock'n on 2018(H30).5.29、19:00配信記事より参照〜
写真は雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』がアルバム『Wake Up』が完成した2日後にインタビューした頃のもので、もう軽く5年前なのです。この頃の自分は…そう言えばなんか色々あったわぁ。この頃はバンド名位は知ってはいたけれどエレカシのエの字もない生活だったのだ。
うんそうね、ちょっと前までは(そんなの自分で言うのってどうなの〜?)(んな大袈裟なw)とかさ、きっと斜めに聞き流していたと思うけど、今は本当に「そうね」とニコニコして聞いちゃう。(アホw?いいえ!それでいいんです!)
だって、きっとそれはミヤジの本気でどこから切り取っても真本心だと思うじゃない?冗談や物の例えなどじゃなく、本当に一生懸命(それとも一所懸命の方がしっくりくる?)なんだろうなって思うのよ。伝わるのよ、私のココ♡に。
捻くれた私には、彼のそんな不器用でありながらも真剣で ”ストレート” な姿が、今は本当に好ましく眩しいのですよ。