航海記 ♪歌いながら行くがいい♪
私の船は、時々歌いながら旅に出る。
DATE: 2019/05/27(月)   CATEGORY: 風景
2014(平成26年)のタイムマシン 9 水碧む、びわの滝にて。

タイムマシン7のかずら橋の上流には、今思えば中々見応えのある河岸があった。



201405-GWkazurabashi29.jpg


一見普通に作られた河川護岸なのかなと思いきや、これは…自然にできた岩石壁の一部なのではないか!?

ずれたブロックのような気がしていたけども、柱状節理とかなヤツ?

節理とは=

主に火成岩に見られる現象で、露頭に見られる 規則性のある割れ目をいいます。
火成岩に節理ができるのは、熱いマグマが約700~1000℃で固まって岩石になり、その後、常温に冷える過程で体積がわずかに収縮するためです(節理の方向はその冷却面に直交する方向になりやすい)。
節理には主に柱状節理板状節理方状節理があります。
柱状節理・板状節理は火山岩、方状節理は深成岩である花崗岩(かこうがん)によく見られます。

★【倉敷市自然史博物館「節理」】ホーム>地学のページ>地質現象のページより




この時は橋にばかり思いを寄せていて、ここはじっくり見てなかったなぁ。
もっとよく近づいてみればよかったわ。

そんな橋の上流のちょっと行ったところには、これまた美しい滝があり、とても迫力ある岩石の塊とは対照的に実に優美な姿だった。





この辺の岩石形成の歴史を深めれば、きっともっと面白い場所になるような気がする (○゚ω゚)。o○ポヤーン

★【「ジオパーク」とは】日本ジオパークネットワークより
※四国では室戸が世界ジオパーク、四国伊予が日本ジオパークに認定されている。

★【50万分の1地質図幅・活構造図】13「高知」第2版(発行年:1960年)参考。

★【産業技術総合研究所(産総研)地質図表示システム「地質図Navi」】*シームレス地質図より(早速広域図を作成してみたw)


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(*図をクリックすると大きくなります)





おお!なんかすごいシステムじゃない!?



どれどれ、ほうほう…



sansouken-chishitsuzunavi-tokusima.png



なんかこれ、色々とってもすごーい(((o(*゚▽゚*)o)))!ナニコレ




色分けの詳細な凡例は「20万分の1日本シームレス地質図詳細版全国統一凡例」から確認できますが、分かりやすくまとめてあるサイトさんがあったのでこちらも参照〜。

北から順番に南に向かって書いてみると年代も綺麗にグラデーションになっています。

◆ 翡翠色◆ 灰色に塗られた西予~四国カルスト~早明浦ダム~祖谷~神山・上勝あたりの四国の真ん中を東西に分断する高地の地層が最も古く、ジュラ紀の約2億年前~1億4600万年前頃の地層が分布しています。

◆ 桃
後期白亜紀(K2)の珪長質深成岩類(新期領家花崗岩類)
説明: 約1億年前~6500万年前にマグマが地下の深いところで冷えて固まった花崗岩質の深成岩(新期領家)

◆ 淡緑
後期白亜紀(K2)の海成砂岩優勢砂岩泥岩互層
説明: 約1億年前~6500万年前に海で形成された砂岩優勢層

◆ 淡青:吉野川
後期更新世-完新世(H)の海成または非海成堆積岩類
説明: 約1万8000年前~現在までに形成された最も新しい時代の地層

◆緑
三波川変成岩類苦鉄質片岩(弱変成相)
説明: 約1億2000万年前~6000万年前に地下深くのやや強い圧力で形成された玄武岩起源の三波川変成岩類 

◆ 翡翠色
ジュラ紀(J1-3)の苦鉄質火山岩類(付加コンプレックス中の岩体)
説明: 約2億年前~1億4600万年前の付加体中玄武岩岩体

◆ 灰色
前-後期ジュラ紀(J1-3)の付加コンプレックスの砂岩層
説明: 約2億年前~1億4600万年前に海溝で堆積した砂岩(付加体) 

◆ 黄緑
前期白亜紀-後期(K1-2)の付加コンプレックスの泥岩優勢砂岩泥岩互層
説明: 約1億4600万~8000万年前に海溝で堆積した砂岩と泥岩が繰り返す地層(泥岩が多い)

◆ 淡青緑
後期白亜紀(K2)の付加コンプレックスの基質
説明: 約1億年前~6500万年前に海溝で複雑に変形した地層(付加体)

◆ 肌色
中期始新世-前期漸新世(PG2-PG3)の付加コンプレックスの等量砂岩泥岩互層
説明: 約5200~3200万年前に海溝で堆積した砂岩と泥岩が繰り返す地層(付加体)

◆ 赤
中-後期中新世(N2)の珪長質深成岩類
説明: 約1500万年前~700万年前にマグマが地下の深いところで冷えて固まった花崗岩質の深成岩

★【産総研が公開した地質サイトがすごい。四国の地質を見てみました。】「地質図Navi」関連ニュース(YOU魚さんのサイトより)





うーん、該当箇所の色分けは分かったけど、凡例図との照会がけっこう難しいな…。と思ってたら、「すごい!地質図Naviさん」は隙なく賢くやっぱりすごかった!


sansouken-chishitsunavi-hanrei1.png



やーん何このシステム、
本当にすごーーーいΣ(゚□゚*)!!




と言うわけで、このかずら橋一帯の地質は、
変成岩で、形成された時代は中生代:前期白亜紀:アルビアン期〜新生代:古第三紀:暁新世:セランディアン期の岩石(緑泥石帯)だと判明しました。(´∀`σ)σめでたし。

=変成岩とは=

既存の岩石が後生的な温度・圧力等の条件下に長期間おかれると、新しい条件に適合して、鉱物組成や組織、場合によっては化学組成等も変化し、別の岩石に変わります。この変化過程が変成作用であり、これによって生じた岩石を変成岩といいます。
したがって、変成岩の原石としての「既存の岩石」は、堆積岩でも火成岩でも変成岩でもよい訳です。変成作用の要素としては、地殻変動(プレートの沈み込み及び浮き上がりと現位置への定置)に伴う圧縮と変形作用、マグマ等の熱源が関与する再結晶作用、そして水やガスの移動に伴う化学組成変化などがあげられます。

★【実務者のための岩石肉眼鑑定法―変成岩― 】(中国開発調査株式会社:瀬尾氏文より)



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(*図をクリックすると大きくなります)

★【INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)】(2016年(平成28年)12月日本地質学会作成の図表)参照。


白亜紀前期のアルビアン期〜古第三紀暁新期のセランディアン期は上のチャート図では赤点線で括ってある範囲の時代になる。
ざっくりと…5,900万年前〜1億1,300万年前くらい?(でいいのかな…)に形成された変成岩の地層ということかしらね。

いやー、もうこの長い長いチャートから見たら、白亜紀前期なんてまだまだ若い部類に入るような気がしてきたw

この「およそ1億年前」という時期は、「白亜紀(はくあき)」とよばれる時代の中頃にあたります。ではこの白亜紀とはどんな時代だったのでしょうか?
「白亜紀」とは、およそ1億4,550万年前からおよそ6,600万年前までのおよそ7,950万年間をしめす時代名です。(*人類(“ホモ・サピエンス”とよばれる種類)が地球上に登場してからは、およそ19万5,000年。さっくり20万年弱?5,000年端折ってますがw)

 (中略)

白亜紀という時代を語る上でとても大切なキーワードがあります。
 =3つのキーワード=
 ① とにかくあたたかい!!(グリーンハウス)
 ② 花を咲かせる植物の登場
 ③ 恐竜の大繁栄

=(以下略)
大昔の時代名の「白亜紀」の他にある「ジュラ紀」、「カンブリア紀」などは「地質時代」とよばれる時間の分け方で、特徴的なある生き物が生きていた時間を1つの時代として分ける方法。(おおざっぱにいうと、「○○紀は△△という生き物の時代」)
5億4,000万年前から現代に至る、生物が地球上にいる時代は「顕生代(けんせいだい)」と呼ぶ。その時代をさらに3つの区分に分けたのが以下。
(1)「古生代」
(2)「中生代
(3)「新生代」←*現代は今も続く(3)の最後の方。
=(略終わり)

(2)中生代は古い方から

  ①「三畳紀
  ②「ジュラ紀
  ③「白亜紀

の3つの時代に分けられています。
ここまでをまとめると、白亜紀とは、生き物の主な歴史(顕生代)の中ごろにあたる中生代の、終わりごろにあたる時代なのです。ちなみに、先ほど登場した「カンブリア紀」は、古生代をさらに6つに分けた中の最初の時代です。

★【白亜紀ってどんな時代?】「学校法人城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリー:第1回」より





学生の頃は地質学なんて全く関心もなかったのに、今になって写真を見て気になって、こんな感じでサクサク調べられていい時代になったもんだと思うw
こんな風にどんどん新しい世界が開けて新しい物事に触れると、また新たな興味が湧いてくるんだから面白い。
ネットの海も渡り方次第ねぇ。

当時はただただこの滝の美しさに見惚れていたわけだが、こういった岩石形成の長い長い歴史を知っていたらまた違う感じで見れたのかもしれないな。







でも、改めてこの滝をみると、やっぱりただただ美しいと眺めるだけでもいいような気もするw
だって本当に優美な滝だったから。



201405-GWkazurabashi30.jpg


=びわの滝=

かずら橋の少し上流側にある、高さ50mの滝です。
平家の落人達が古都の生活をしのび琵琶を奏で、つれづれを慰めあったと伝えられたという美しい滝。

★【西部観光案内(祖谷のかずら橋・びわの滝)
 徳島西部観光MAPより





高さ50mと言うとかなりの落差ではあるのだが、その形状からか流水の色・形が実に繊細で優しげな姿。
平家一族が追われ逃れた山奥で、古都の思い出を懐かしみ雅を感じさせたと言う謂れも納得。

かずら橋に比べるとあまり観光客もいなかったのですが、個人的にはいつまでも眺めていたいお気に入りスポットの一つ。




心の声(・Д・)。。o○(ここで美味しいコーヒーとか飲めたらなぁ。。。)






でも、この滝の前に売店の幟とかプラスチックのテーブルとかイスがわちゃわちゃ置いてあったら、それはそれで興醒めな気もするし。。。
ここは、このひっそりした感じのままなのがいいのかな。




201405-GWkazurabashi31.jpg




山の碧を写した水の色がとてもきれい。。。




私にとってはどこまでも『蟲師』のイメージを感じさせてくれたこの祖谷渓の旅。さあ、そろそろタイムマシンで”今”に戻ろうかな。




バイバイ、2014年(平成26年)のGW。
バイバイ四国、ありがとう!またいつかね〜ヽ( ´_`)丿。



  みゅいーーーーーーん♪(*タイムマシン1参照)













もうどこまででも推しますw

★【アニメ『蟲師 続章』公式サイト】第17話「水碧む」(あらすじ)より

★【マンガ『蟲師』第9巻】電子書籍ストア「Book Live」より(無料試し読みあり)

★【講談社コミックプラス『蟲師』】検索結果より(*マンガ『蟲師』は通常版、愛蔵版ともに全10巻)

mushishi-9-urushibarayuki.png






 =『蟲師』第9巻=
 残り紅(のこりべに)
 風巻き立つ(しまきたつ)
 壺天の星(こてんのほし)
 水碧む(みずあおむ)
 草の茵(くさのしとね)





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