とある夜、雅楽の音に気がつき提灯明かりに吸い寄せられた。


その頃にはもうすっかり花も散っており、若々しい葉桜の下で夜神楽が舞われておりました。

若々しいのは葉桜だけでなく演奏の方もそのように思われました。
というのは
「それはそーゆー演奏なのか!?」
と思わず突っ込みたくなるほど時々あまりにもスットン興な音を笛(横笛だったか笙だったかは不明)が放っておったからでありました。
♪ピ~~ ヒャラ~~ ヒャラ~~ プヒッ ピ~~~…♪
はじめは
「雅楽ってこーゆー感じだもんねぇ」
と聞き流しておりましたが、この プヒッ♪とかピヒィッ♪とかがあまりにも音楽的な流れ(及び舞台の空気)から突き抜けていて
「…こ、これは、ただ単に 下手 なだけでは…?」
と聴きながらだんだん膨らむ笑いを禁じえなかった私でございます。
しかしながら演奏方も舞方も真剣にて一所懸命であり、たとい稚拙な手だったとして、こうも愉快な気分になりますれば神様もほほえましくお見守り下さりましたことでしょう。

花の下にて舞われておれば、もっと愉快な心地になったかもしれませぬな。
しかしこの初々しい若葉のはじめの頃と言うのはいつも、あの浮かれた花の季節がまるで幻だったかのようなふわふわした気分を起こさせます。
元旦に新年を迎えたと思い、節分に一足早い春を感じ、桜の開花で新年度を改め、新緑で4度目の「始め」モードに入る。

五月病なんて言ってられませんわなぁ。
「桜は朝しかものを言わんのや」
とは師匠(私が勝手にそう呼んでいるw)の京都は嵯峨野の植木屋「植藤造園」の16代目社長にして3代目桜守、佐野藤右衛門氏のお言葉。
なるほど早朝の桜はほんのり色が濃く、夜桜とはまた別のうっとりとさせる雰囲気がある。(ような気がする)
氏はソメイヨシノはクローンみたいなもんでおもしろくない、とあまり好きではないらしいのだが。
でも、小さい時の記憶にある桜は、幼稚園や小学校、中学校の校庭に植えられていたソメイヨシノだったので今でも私の中にある「桜」と言ったらやっぱりソメイヨシノがど真ん中。







日が高くなってくると妖しさは影を潜め、極めて明るい花の一群となってこれはこれで見る者の心を躍らせるのでキライでないのよねぇ。というかこの季節の桜は何でもイイですw



花吹雪 春の氷の衣舞う シロもヤシロもうらら紅かな
by緑の船
太陽の日が燦々と降り注ぐ下の桜もよいけど、夜の雪洞(*ボンボリってこーゆー字だったんだ)の灯りにほんのりと浮かぶ桜もまた妖艶でよろしい。



かなり妖しい雰囲気になってしまってるけど肉眼ではもっと明るい雰囲気なんだよなぁ。
ケータイカメラの性能では夜の撮影はここまでが限界。
夜がキレイに写せるデジカメがほしい今日この頃。
でも重いのはヤなので買いあぐねておりまする。

雪洞に吸い寄せられて鳥居をくぐると、そこは満開の桜の下ですっかり出来上がっている仕事帰りの人々で賑わっておりました。
この日は風もほとんどなく寒くもなく花は満開、まさに夜桜見物日和。


屋台ではずせないのはとりあえず鯛焼き!
鯛焼きと後ろの旗の隙間に見える物体は焼き場のお姉さんの頭です。
あーでもないこーでもないと写真を取り直しているとなんか気を使って身をかがめてくれたっぽいw
ここはあんこの他にカスタードクリーム、チーズクリームとあともう一種類あったけどやはり基本は小豆あんこです!
調度観光旅行中らしき外国人グループが5、6人くらいいてそのうちの女子組みが鯛焼きに挑戦してたけど頼んでいたのはカスタードクリームですた。
いや、鯛焼きの基本はあん(ry

調度お腹の調子が悪い時だったので、屋台に田楽があって良かった~。
田楽と焼きうどんで友人とおしゃべりして気がついたら3時間経ってた…何を語って3時間も経ってしまったのか思い出せないんですがw
桜の下では時間が短く感じるのかもしれない。


帰りに神社にお参りしてきました。
今年もお花見ができてよかったです。
よい桜の季節をありがとうございました (-人-) ペコリ