もう紫陽花が咲いているというのに時期はずれな「今年のさくらシリーズ」もやっと最後?かな。
(*2008さくら桜SAKURA! 本編+番外編)
西行法師(元永元年(1118年)生まれ)の詠んだ桜の歌の中に、散り際の花びらについて詠ったものがかなりある。
花びらが散って埋もれている様を「薄氷が張ったような」とか盛大に散る様を「岩を離れる滝のような」とか。
過去記事参照
★【SAKURA 2007 HANAMI ④西行法師と桜】
今年2008年(平成20年)は西行法師が生まれてからちょうど890年!
春の花なのに冬の情景を重ね合わせたり、温度や音までも想像させてくれるその感覚がけっこうスキなんだけど、900年近い時が経っても桜が花の中でもことさら特別だと思う心情は連綿と息づいているんだなぁと不思議な気分にもなる。

桜の品種も園芸家の改良魂によって増えており、西行さんが現代の様々な品種の桜の木をみたらどんな歌を詠んだことだろう?
たぐひなき 花をし枝に咲かすれば 桜に並ぶ木ぞなかりける

山おろしに 乱れて花の散りけるを 岩はなれたる瀧とみたれば


山おろしの 木のもとうづむ花の雪は 岩井にうくも氷とぞみる


春雨に 花のみぞれの散りけるを 消えでつもれる雪とみたれば