某駅から徒歩で行ける圏内の飲み屋街には、昔ながらの古民家を改装したり、あえて古民家風にしたようなレトロ和風なお店がここ数年でずいぶん増えたような気がする。
そんなに飲みに行くわけではないので詳しくは知らないのだが、どんどん開発されて駐車場やビルに変わっていく建物の多い中、築70年の古い銭湯を改装したダイニングバー「山海百味そら豆」が登場した頃からその傾向はがっと増したような印象がある。
ここいらの駅前には案外こういった古い建物がビルに埋もれながらもそれなりに残っているんだなぁと、改めて思う。
そして、そういった古い建物をすぐにぶっ壊さずにその雰囲気を残したまま改めて活用する傾向は、なまじの田舎町よりも活発なのかもしれない。
そういう意味では、レトロな趣の建物好きな緑の船にとってこの街は、実はなかなか散策し甲斐のある街でもある。


★銑-ずく-
住所 : 名古屋市中村区名駅3-17-24
営業時間 : 17:30~翌1:00(L.O.翌0:00)
定休日 : 無休
ところで銑(ずく)ってなんだろ?「鉄」っぽいけど…と思い調べてみたらばこんなんがあった。
★【WAZUQU(ワズク)…世界が認める、甦る和銑(わずく)の心】…Day by Day Web Siteより。
「WAZUQU(ワズク)」とは和銑(わずく)のことです。
砂鉄を原料に「たたら吹き」技法で作る日本独自の素材のことで、日本の誇る伝統文化としての鋳物を象徴的に表している言葉です。
ほおおお!
鉄は鉄でもただの鉄とは一味違うぜよ!という感じ?>銑(ずく)
鉄板料理のお店にぴったりな漢字ですな。
元長屋だった民家を改装したという鉄板料理のこのお店には、駅から続く地下街のユニモール4番出口から徒歩3分で行ける便利さも魅力。
このレトロな飲み屋街は、「名駅3丁目」にあり、大ヒット映画『ALL WAYS 三丁目の夕日』と偶然にも同じ番地だったりする。
このままレトロな雰囲気をかもして増やしていってほしいなぁ。
木造建築にとってタイ的…じゃなくて大敵なもの。
それは、やはり火事だろう。
実家の祖父のお家はよくよく考えたら、土蔵もあるかなり古い民家だったことを思い出す。
灯台下暗しで、詳しく聞いたこともなかったが少なくとも築100年はいってたと思われる。
玄関の隣にはかつて牛や馬を飼っていた納屋があり、トイレは当たり前に家の外にあったし、お風呂は薪で沸かしていた。
おじいちゃんのお家は広々してて子供にとって昼間は格好の遊び場だったが、夜になるとその印象はガラリと変わった。
ボンボン時計が夜中に鳴ると、子供心に家そのものの空気が昼間と全く異質に感じて怖くて怖くてドキドキしたものだ。
今になっていわゆる「古民家」な佇まいのお家に深く惹かれたり、郷愁を感じるのはそういう身近だった建築物に似た空気を感じるからなのかもしれない。
そのお家の庭先には大きな大きな甕が置いてあり、その中にはいつも水が張ってあった。
多分それは昔はどこの家にもあった「防火水槽」だったのだろうと思う。
もっともその水甕の中にはメダカやオタマジャクシや亀が生息してて、いざという時に防火水槽の役割を果たしそうにはなかったのだけど。
ただ、わざわざ水を足していた風には見えなかったので基本的にはオール雨水で甕の中は満たされていたようだった。(夏には水が減っていたりしてたので)

それに比べたら、この防火水槽は実に都会的で雨水の再利用効率も良さげだと感心した。
いつか自分のお家を手に入れたら、こんな雨水利用した防火水槽を設置したい。
甕に亀も捨てがたいけどw
時々通りすがって気になりつつ入りそびれているカフェがある。
その名も「2丁目カフェ」。
白い格子窓がちょっと変わってておもしろいなぁと思っておりました。



★【2丁目cafe 丸の内店】
場所 : 名古屋市中区丸の内2-14-3
営業 : 8:00~22:00
2007年(平成19年)12月17日には大須店がオープンしたり、もともと日祝定休日だったのが好評に付き現在は日祝も営業している模様。
うーん、まだ入ったことがないんだけどモーニングが充実してておいしそう!
ゆっくり食べてみたいなぁ。
やっぱモーニングのないカフェなんてありえへん!と思ってしまうのは緑の船がすっかりナゴヤンカフェがスタンダードだと思っているせいなんだろう。
以前九州から引っ越してきた人とお話する機会があったのだけど、名古屋の喫茶店の多さとモーニングの充実ぶりにびっくりしておったもんさ。
「数百メートルの間に喫茶店が乱立しててよくお店が潰れないなあって不思議!」
とか
「なんで珈琲代だけであんなにサービスしてて収益あるの!?」>モーニング
とか本気で不思議がっておりました。
それは…お店が潰れないだけのお客さんがいるという、そんだけ東海人は茶飲みだということなんだろう。(そんな私も朝茶夜茶は当たり前…)
しかし他県の人にリアルに驚かれたのは初めてで新鮮だった。
そうやって初めて「これって東海地方ならではの文化だったのかっ!?」と思ったりして。

建物の周辺はいたってフツウの雑居ビル街なんだけど、この壁画みたいに街全体がこんな雰囲気だったらええなぁ…と夢をみてみる緑の船だった。
前々から興味のあった建物。
ふと気が付くと改装されて看板がかかっていたけど和食のお店だったのね。
これはお食事に行きたいお店リストに加えておかねば。

【金毘羅】は昭和初期に建てられた家を改装した和食の店舗。
もともと新栄にあった、「料亭ではないがおいしい和食に定評のあるお店」だったらしいのだが、2006年(平成18年)7月に中区丸の内のこの建物に移転オープンしたらしい。
和食のお店【金毘羅】
場所 : 名古屋市中区丸の内2-6-2
営業時間 : 夜席 18:00~23:30 (予約優先)
定休日 : 月曜日
*おまかせコース料理
・さくら 6,500円
・いちょう 8,500円
・けやき 10,000円
単品メニューは最初の一皿(2,500円)から
その他、昼間は「楽習塾」と称して、身近な料理・食材をテーマにおいしく料理するコツや基本をわかりやすく説明してもらいつつお食事ができるという楽しそうな企画(予約制)も月一で行っている模様。
(*昼時間 : 11:30~14:30頃)


外装にこだわってエアコンの室外機も気にならないように工夫されている。
そうなのよねぇ…、エアコンて今や住居・店舗にも必需品なのだけど、こと「和風木造建築」に取り付けると、どんなステキな建築物でも「イマイチ美しくない」という罠。
外観の印象を変えないための苦肉の策がこういった「隠す」「覆う」なわけだけども、もっと根本的にエアコンの製造会社には建物との共生という視点でもって「見苦しくない」色・デザインにもこだわってみたらいいと思うの。
案外需要あると思うんだけどなぁ…。

もともとは創業が文久2年(1862年)、会社設立は昭和10年(1935年)の甘強酒造株式会社(本社は愛知県海部郡蟹江町)というみりんや清酒などの醸造元が経営しているレストランなだけに、興味津々。
★【甘強酒造株式会社HP】
あけましておめでとうございます~♪(/・ω・)/ ♪
いきなり去年の続きです。
二度目の奈良は、時間がないにも関わらず(夕方3時ごろ奈良入り、夜8時の電車で脱奈良)、なかなか楽しかった。
東大寺の近くにあった博物館がおもしろそうで、時間がなかったんでちらっと覗いただけだったんだけど次の訪問時には是非博物館もプランに組み込んで半日館内で過ごしてみよう!と思いました。
で、二度目の東大寺からの帰り、電車の時間があるので近鉄奈良駅周辺で夜ゴハンにしようということになり、付近の商店街に入り込んだ緑の船。
でも「なんかあんまり“奈良”って雰囲気じゃないよなぁ…」と言いながら「奈良っぽいお店」を探してどんどん歩くがピン!とくるお店がない。
あんまり遠くへ行っちゃうと電車の時間に間に合わないと困るから、とUターン。
「ここにする?」
「うーん…」
「ここにしとく?」
「なんかそんな気分じゃないよなぁ…」
「…んんん!?」
「ん?」

…どー見ても、何回見ても、建物と建物のこのわずかの隙間にお店があると看板が言っており…。
正面からみたら、やっぱりお店があるようだけど、建物と建物の隙間にあるようにしか見えず…。

「こ、これは… 明らかに“古い空間”よ!」
「えっ!? …え、ええーとイリーガルがいたらどうするんだよぅ」
「大丈夫、メガシ屋でメタタグ仕入れてきたし、メガビーもレンガ板もあるわ」
「…さっちーにフォーマットされたら帰ってこれなくなっちゃうかも…」
「“オヤジ”がいるから大丈夫!レッツらゴー♪」
*詳しくはアニメ『電脳コイル』をご覧ください。
◆原作・脚本・監督:磯 光雄
2007年(平成19年)5月12日〜12月1日放送。(○HK教育)全26話。
★【オリジナルTVアニメ『電脳コイル』用語集】
★【『電脳コイル』話数限定 第1話「メガネの子供たち」】無料動画GYAO!
扉を開けるとそこはステキなカフェ空間。
やっぱ空間の隙間にできているにちがいない。
さて、カフェなので普通にカフェめしを注文するわけだが…
おいしーーーーーーーっ!

サラダで「おいしい!」と思うことって案外ないかも!?
…と改めて思うくらいものすごくおいしくて山盛りだったのにガツガツと頂いてしまったこのアジアンテイストな豚しゃぶ。
どの辺りがアジアンだったかというと、パクチー?、シャンツァイ?だっけかあのベトナム料理とかタイ料理とかでよく使われる香草がイイカンジで効いている。
そして、お野菜も豚しゃぶもおいしいのは当然として、なにがおいしかったってドレッシングがめっさおいしかった!
なんかだいたい外食しててもサラダのドレッシングってだいたい似たような味だったりするんだけど、このサラダのドレッシングはちょっと食べたことがない感じの独特なお味で、新鮮な感動!→「おいしい!」となったのかもしれない。
うう、市販されているんだったら買って帰りたいくらいおいしかったなぁ。
そのほか頼んだバーガーセットもボリューム満点!で食べ応えあり。

それになんといっても、基本のオムライスが緑の船好みで言うことなし!

このトマトソースがうまかったことうまかったこと!
奈良に行ったときに寄りたいカフェが思わぬところで発見できてうれしかったな。

「なら的なカフェ」ってどんなのだろう?と考えてみると、お店の雰囲気がイイ!とかおしゃれ!というのは田舎都会を問わずどこのカフェも持っている気がするけど、それにどことなく奈良独特のまったりした(良くも悪くも素っぽい?)人間の雰囲気がなんとも言えずよいのかもなぁ。
★【silver works & cafe Fluke】
(フレーク?フルーケ?)
場所 : 奈良県奈良市東向中町10
(近鉄奈良駅すぐの東向き商店街という商店街内)
定休日 : なし(年末年始はわからないけど…)
営業時間 : 11:00~21:00
★【「FLUKE」(フルーク)】ぐるなび/近鉄奈良カフェ
営業時間が11:00から…
営業時間が11:00から…
営業時間が11:00から…
やっぱりならカフェにはモーニングが存在しないのか…Σ(´д`*)
後日知ったが、この建物は慶応年間(*)の建物に手を加えた割と最近できたっぽい和洋折衷型(これがミソ!)のカフェだったらしい。
*1865年~1868年の江戸末期、幕末から明治維新にかけた頃。
ちなみに「Fluke」で検索したら工業機器の計測器・測定器とか携帯型オシロスコープのスコープメータとかデジタル温度計、空気質メーター(温湿度メーター)とか絶縁抵抗計とか標準器・校正器のメーカーがズラズラでてきた。
店長さんは電気工業系出身なんだろうか…?

なんとなく入ったビルの隙間の“古い空間”には、近代工業機器の名前を持ち新しい味のドレッシングを武器に現代人を魅了する、幕末の時代から続くほんとうに「古い空間」でありますた。
ならカフェ、 恐 る べ し 。