
日日是好日
木洩れ日で目覚めた翌朝。
ふとこの言葉が浮かんできた。
なんだかとっても気分がよかった。
![]() | 日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (2002/01) 森下 典子 *詳細を見る |
お茶、習おうかなぁ。
南大門をくぐるといよいよ東大寺正面へ。
★【東大寺のあゆみ】も参考に。
が、お話上手なガイド兼バスの運転手のおじさんのお勧めスポットへずずいと移動。
池の脇の小道へみんなして東大寺を見ないように進む。
「さあ、みなさん!ここが一番美しい撮影ポイントですよ!」
そぞろ振り向いてご対面。
「おお~!」
池に映りこむ、ライトアップに浮かび上がった東大寺。


屋根の上にある金色のシャチホコに見えるものは「鴟尾(しび)」と呼ばれる装飾だそうな。
鴟尾(しび)とは、瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種。
沓(くつ)に似ていることから沓形(くつがた)とも呼ばれる。
寺院・仏殿などによく用いられ後漢以降、中国では大棟の両端を強く反り上げる建築様式が見られ、これが変化して3世紀から5世紀頃に鴟尾(しび)となった。
唐時代末には鴟尾は魚の形、鯱(海に住み、よく雨を降らすインドの空想の魚)の形と変化していき、火除けのまじないにしたといわれている。
by wiki
この東大寺の鴟尾(しび)は魚というよりは沓(くつ)に似ているような気もするけど、ガイドのおじさんの説明によると
「火除けのまじないになぜ魚なのか?
屋根の上になぜ魚の尻尾なのか?
魚は水の生き物です。
その魚を屋根のてっぺんに持ってくることで、その建物を水の中に沈めたんです。
水の中にあれば絶対に燃えませんから。
そうやって昔の人は火事にならないように、という願いをこめたんです」
燃えないようにという意味でなら木造よりも石造りになりそうなものだけれど、何回消失してもやっぱり木で作っちゃうんだなぁ。
でもそういう感覚が私は震えるほどスキなのだったりする(´-`)。
夜のライトアップツアーバスは、興福寺五重塔から春日大社一の門の前を通り、東大寺へと向かう。
お話上手なガイド兼運転手のおじさんにまず案内されたのは東大寺南大門。
昼間見上げた南大門の庇は時代を感じさせる風合いがあり、いかめしい老人の表情。

それが、ライトアップされた夜は若々しく輝いた青年のようなのだから夜の魔法って素晴らしいw。


この門を守っているのがふたりの仁王様。
有名な運慶・快慶らの作。


…うっとり。
木造の彫刻なのにこの躍動感は何かしら。
夜の撮影はちょっと苦手だけど、この手ブレすら彼らの魅力を損ねることはない。
*金剛力士像
現存する大作としては建仁3年(1203年)造立の東大寺南大門金剛力士(仁王)像を挙げねばならない。
造高8メートルに及ぶこれらの巨像は、平成の解体修理の結果、像内納入文書から運慶、快慶、定覚、湛慶(運慶の子)が小仏師多数を率いて わずか2ヶ月で造立したものであることがあらためて裏付けられ、運慶が制作の総指揮にあたったものと考えられている。
by wiki
どうやら阿吽のうち阿像は快慶がある程度まかされて制作したようだ。
それにしてもこれだけのものをたった2ヶ月で作り上げるなんて。
改めてこの金剛力士像の持つ「勢い」みたいなものが感じられるエピソードだわ。
緑の船はもうちょっとこの門でぐずぐずとうっとりしていたかったのだけれど、ガイドさんが本日の本丸、東大寺へと案内し始めたので、後ろ髪引かれつつ移動。
もっとじっくり見たかったな、こんなに魅力的なのはやっぱり夜の魔法のせいなのかな。
いいえ、翌日もう一度見に行ったらやっぱりステキでした♪

この襞がたまらない…。
というわけで前シリーズ(*ナゴヤン建築探訪)もまだ途中ですが新シリーズ「ならまち日和」投入ですw
前回は「ナゴヤン建築探訪12」まで。2007年(平成)9月27日(木)↓記事
★【ナゴヤン建築探訪 12蔵のある風景 ④築120年(?)の蔵 謎の「摩訶不思議堂」からおしゃれな「ナゴノサロン」へ】
奈良という町は知っているようで実はあまりじっくり訪れたことがなかった場所だったと、行ってみて改めて思い至り。
天気がよかったということもあり短い時間だったけれど、自分の中でお気に入りな場所♪にランクインとあいなりました。

![]() | 百億の昼と千億の夜 (秋田文庫) (1997/04) 光瀬 龍、萩尾 望都 他 *詳細を見る |

夜の興福寺五重塔は昼間見たときよりも大きく見えた。
そしてライトアップによる陰影が夜空に映え、ぞっとするほど美しかった。
バスの中から短い時間眺めただけだったけど、とても印象的で昔読んだ萩尾望都のマンガ『百億の昼と千億の夜』(*原作は光瀬龍の小説)を思い出した。
そう言えば自分が、日本史の教科書に載っていた阿修羅像にうっとりしてるような学生だったことまで思い出しました…。(仏像も好きだった)
今見たら…やっぱりうっとりしました。
阿修羅像もいろいろなタイプがあるようですが、私の中ではこの興福寺の阿修羅像が今も最高位かも。
★【興福寺HP】
★【奈良のライトアップツアー2007】
残念ながら7月1日~10月31日の企画でした…。終わっててすんません。
暦の上では立冬も過ぎ。
もう‘冬’なのかー。
まだ紅葉狩りにも行ってないのに。
これからだんだん寒くなっていくんだろうな。
昔は「人恋しい」という感覚がよく分からなかった。
誰かといるより一人でいる方がずっと居心地がよかった。
恋人がいても友達といても。
寂しくて誰かと会いたいなんて感じたこともなかった。
人恋しいなんて心の弱さの表れだと思っていた。
冬は、厳しい寒さに立ち向かう闘いの季節だった。

でも今は寒くなってくると、うきうきと心を弾ませて家路に着く。
家に帰るとキミがいて、一緒の布団にくるまって額をくっつけて眠る。
こんなささいな時間がとてもいとおしいと思う。
冬は、ほんのりと暖かさに包まれる安らぎの季節になった。
ある日の神社がほのかににぎやかな装い。

といっても大きな屋台が出ているわけでもない。
でも、この日は神社のお祭り。

でも境内はキレイに掃き清められ、いつもより豪勢に提灯の明かりが灯っていて、その雰囲気についいつもは素通りする帰宅途中のリーマン&OLさんもなんとなく寄ってしまう。

そして、みんながそっとお祈りしていく。

おそらく地元の人々しか知り得ないような小さな小さなこんなお祭りは、あらゆる神社で日本のいたるところで行われているのだろう。
そんな何気ない四季折々の風景や行事が、最近の私にはとても心に響く。

屋台も出ない静かな実家の神社のお祭りを思い出し、懐かしくなって少ししんみりしちゃったよ。
みんな、元気かな?