雨を待っていた紫陽花のお陰か!?
週末は大雨は降るわ雷は落ちるわの大嵐だった。
そんなにいっきに降ることないのに…。
嵐の中の紫陽花を撮る根性はなかったよ。
でも翌日はすっかり快晴!
雨と晴れの入れ替わりの激しいこの季節の紫陽花はやっぱりキレイね。


紫陽花の英訳は「Hydrangea」。
ギリシャ語の「hydro(水)+ angeion(容器)」が語源らしい。
意味は「水の入れ物」といったところ。
なんかロマンチックね。

もともと紫陽花は日本原産の植物で、学校などの花壇でよく見られる品種のプレジオサ(手毬型)などは里帰りしたヨーロッパ産の紫陽花だ。
ヨーロッパに紫陽花が渡ったのは18世紀末の1789年(寛政1年)、ちょうど日本へヨーロッパやロシアなどの異国船が頻繁にやって来ては日本に開国と貿易を要求してきた鎖国末期の時代のこと。
100年前にはヨーロッパで色の改良などが進められ、新しい品種がどんどん増え、現在ではあまりにも品種が増えすぎて専門家でも全ての種類は把握できていないとも言われている。
外国で大ブレイクのきっかけを作ったのが、1823年(文政6年)に医者として長崎の出島に着任したドイツ人のシーボルト(実は日本の内情を探るスパイだった!?とかなんとか)。
彼は日本の紫陽花の魅力にとりつかれたらしく、詳細な解説を加えた解説書付きでヨーロッパに新種の植物として持ち帰ったことから、周り回って現在では日本でも西洋アジサイがよく見かけられるようになっていった。
紫陽花が神社仏閣などにどっさりと植樹されるようになったのは、案外遅くて戦後になってから。
それまでは多くの品種が栽培されながらも、日本ではあまり庭木としては好まれなかった節がある。
紫陽花の蕾や芽に青酸系の毒が含まれているから、かもしれない。
ペットや家畜などが食べないように注意が必要だからだ。
そういえば庭木に不向きな草木に夾竹桃などもある。(ウチにはどっさり植わってたけど…)
あれも毒性が強いので庭などで燃やすと大変なことになる。
しかし、同時にとても強い植物でもあるので大気汚染の激しい幹線道路沿いに植えるのにはもってこいだったりするので、要は適材適所にということで気をつけていればイイのだ。
ところでシーボルトは日本人女性と結婚していたのだが、日本を離れる際にやむなく残してきた妻の名前「タキ」を紫陽花のある種名につけようとした。
Hydrangea otaksa
(ヒドランゲア オタクサ)と。
ちょっ! 「タキ」じゃないし…。
「おタキさん」が「おタクさん」→…「オタクサ」になったと思われ。
しかし実際はちょと早くにその紫陽花の正式な学名が決まっていたらしく、シーボルトの提案した「オタクサ」の名前は採用されなかった(…とどっかで読んだ)。
まあとにかく、春の桜のお花見もよいが、梅雨時の紫陽花を眺めるのもよいよなぁと言うことだ。

6月の旧暦の呼び名は「水無月」(みなづき)、という。

「水無月」は旧暦では①「梅雨が明けて雨が止み、水が無くなる月」だから、というふうになんとなく勝手に思っていたけど、名前の由来は実はいろいろあるらしい。
②「田植が終わって田んぼに水を張る必要のある月」→「水張月」(みずはりづき)→「水月」(みなづき)という説。
③「田植という大仕事を仕終えた月」→「皆仕尽」(みなしつき)という説。
④「水無月」の「無」は「~の」という意味の連体助詞の「な」の意味で、そのまま「水の月」と読むという説等など。
梅雨時の新暦6月の別称としても呼ばれるようになってからは、「梅雨で天の水がなくなる月」とか「田植で水が必要になる月」だから…といった解釈も行われるようになってきたのだとか。(by wiki)




紫陽花のこの澄んだ青色には、やはりなんとなく「水」を連想する。
雨を待っている気がする。