
この廟門は不昧公が生前からお抱え名工の小林如泥に頼んで、この場所に作るようにと指示して製作されたといわれている。
この透かし彫りは「葡萄」で不昧公の好物だった。
もっとも如泥は不昧公よりも5年も早くに亡くなっている。
そのためこれが小林如泥の作か異論もあるというが、この仕事っぷりと親交も深かった二人の間で生前から作り始めていただろうと、この透かし彫りが如泥の作であると示していると言われている。
自分の墓所を製作していた馴染みの工匠が先に亡くなってしまって、不昧公もさぞかし残念がったことだろう。
しかし、如泥は不昧公のためにこのような素晴らしい廟門の透かし彫りを残した。
決して色鮮やかではないし金箔の装飾もないが、緑の船はこの意匠が大好きなのだ。