私の船は、ある趣の建築物に異様な反応をみせるw
それは自分が住んでいたわけでも、自分の住んでいた町並に似ているわけでもないのに、ある種の建造物に対して言いようのない懐かしさ、郷愁、親近感、もしくは興奮を伴なう強い興味を覚える。

例えば、例の松江城敷地内にある元迎賓館。
元々は大正天皇(皇太子時代)の御来松の際に宿泊施設として建てられたホテルで、その後は迎賓館や展覧会場として利用され、現在は松江郷土資料館となっているこの建物。
…好きだ、愛している、結婚してくれ!と言いたくなるような容姿美麗な佇まいである。
★「興雲閣」(こううんかく)メモ。
明治36年(1903年)に、松江城の二ノ丸跡に迎賓館として建てられた擬洋風建築。
松江の歴史文化教育に関する資料や、大正天皇皇太子時代の山陰行啓の折の御宿泊所を公開してある。
★擬洋風建築『日本の美術466』参照。
幕末から明治初期にかけて、居留地建築に刺激を受けた日本の大工棟梁が見よう見まねで西洋のデザインを採り入れ、事務所、ホテル、学校などを建設した。
伝統的な職人の技術をベースに洋風要素を採り入れたこれらのものを擬洋風建築と呼ぶ。
ちなみに明治36年(1903年)…この年の日本はペリー提督の黒船来航から50年、明治新政府樹立から満35年を経過した頃である。